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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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宿でご飯を食べ、お風呂に入り部屋の広間で明日の予定を話ながらまったりとしていた時だった。


バンッ!

ロミジュリが突撃してきた。


よく、宿見つけたね。という言葉は明らかにお怒りの様子で若干目が血走っていて人をコロコロしそうな雰囲気の2人を前になんとか飲み込んだ。


あぶなかった。


えーっと、どうしたのかな?


「「ここに一緒に泊まらせてください!」」


・・・どうぞ。


ロミジュリの迫力にそう返すのが精一杯だった。


てっきり何でいなくなったんだとか着いてこい的なこと言われるもんだと思っていたので、少し反応が遅れてしまった。


話を聞こうかと思ったがとっても鼻息が荒い2人に話せる状況ではないと判断。


シルバくんに新しい部屋を頼んでフェルくんとレオくんにご飯をもらってくるようにお願いする。


微妙な空気に耐えられず、半分眠りにの世界に旅立っているガルくんを個室に送り届けて時間を潰して戻ってくれば、ロミジュリはご飯をかきこんでいた。


あまりの勢いに少し引いてしまったのは仕方ないと思う。

だって最初に出会ったときの面影が全くなかったんですもの。


その後、ご飯を食べ終わった2人に話は明日聞くからとシルバくんが宿の人に言って用意してもらった部屋へ案内し、また明日と言ってわたしは皆の元に戻った。


突撃してきたときはどっかの山の神様の眷属を彷彿させる様子でしたよ。


部屋に入るなりちょっと怖かった、と溢せば皆が詰め寄ってきた。


「ユウリ様、大丈夫でしたか?」

「たしかに怖かった。」

「全然雰囲気が違いましたもんね。」


あ、なんだ。みんなも怖かったんですね。

とりあえず今日はもう突撃してきたなりはないと思うから、わたし達も寝ましょうかね。


皆は頷くとのまま各々の部屋に入ったいった。


わたしはベッドに横になり明日の朝にはいつものロミジュリに戻って、話が聞けたらいいなと思いながら眠りに着いた。





翌朝。

わたしは何やら言い争うような声で目が覚めた。


ベットから這い出て部屋のドアをちょっとだけ開けて外の様子をこっそり見てみるとそこには修羅場だった。


そっとドアを閉めて、寝起きの頭を必死にフル回転させる。


ドアの外にいたのは、シルバくんを筆頭にわたしたち旅のメンバー全員にロミジュリと親御さんたちが何やら一触即発で言い争っていた。


何がどうなってこんなことにとなってるんだと頭を抱えたてため息をついた。


腹を括ってドアを開けようか、見なかったことにしてもう一度寝てしまおうかと一人で葛藤していると、


「キャーッ!!!」

ガシャン!


突如悲鳴が上がり同時に何かが割れる音が聞こえた。


慌ててドアを開けてみれば、割れた花瓶の横でジュリエットが血を流し倒れていた。


わたしは揃いも揃ってボーッと突っ立っているみんなを押し退け急いで『ヒール』をかける。


どうやら花瓶が置いてあった台にかなり強く額を打ち付けてしまったようだ。


呼吸を確認して無事であることを確認すると、わたしは一緒の部屋で寝ていたアセナを呼んでベットにジュリエットを連れていくように指示を出す。


そっーとね。

"わかっておる。"


そして相変わらず突っ立ったまま動かないみんなの姿を見た瞬間、カッと目の前が真っ赤になった。


いい大人が揃いも揃ってなにしとんじゃ、ボォケェ!!!


ドッカァーン!


何故か部屋に大量の水が発生し部屋を破壊し、みんなを部屋の外に押し流した。


わたしも自分で出した水に巻き込まれて部屋の外に押し流された。


呆然としたまま辺りを見渡せば、部屋の外にいた野次馬の中に宿屋の主人の姿をみつけた。


今までの状況が走馬灯のように駆け巡り、サーッと一瞬で血の気が引いていくのがわかった。


そして、ひきつった顔の宿屋の主人とバチコーンと目が合う。


ニコッ。

ニコッ。


お互いに愛想笑いを交わすと、宿屋の主人は白目を剥いて倒れた。


ああ!ご、ごめんなさぁいっ!




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