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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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再び部屋を沈黙が支配した。


予想の斜め上の出来事に誰もなんも言えねぇ状態だ。


ただ良いこともあるんですよ。

それはぼったくったお金などを回収できたことです!


ポンコツおバカさんが支払ったお金など全てをイケオジがそっくりそのまま渡してくれました。パチパチ!


それでは、イケオジのお店が赤字になってしまうと一度断ったのだが、


「大丈夫ですよ。彼に一生かけてでも頑張って働いて支払ってもらいますから。」


と、とってもいい笑顔で言われてしまった。


はい。御愁傷様です!

イケオジみたいな真の大人は一番怒らせたらアカンのやで。

あまりのいい笑顔にわたしたちは愛想笑いしかできませんでしたよ。


そんなこんなでこれが回収したお金とさらに幻惑の道具になります。


ドンッ!


アイテムボックスから机の上に置かれたものを見て皆は引いていた。


うん。お金の量もスゴいけど、それ以外のものも結構インパクト強いからね。


例えば、何だかとっても細かい細工の施された懐中時計とか、小物なんかを入れる箱や宝飾品とかね。

でもそんな数々のスゴいものたちのなかで、一番目を引くのはドクロが施された禍々しさ全開のこちらの杖でしょうよ。


皆さん薄々お分かりだと思いますが、そうです。

これが幻惑の道具です!


「こ、これは…」


わかるよ。

こんなに分かりやすい見た目でいいのかと思うよね。


ところがどっこい。


この杖自体にも幻惑の効果があって、MPと引き換えに普通の杖に見せかけることができるんですって。


でも燃費が悪くてMPの消費が半端ないもんだから、普通の人では数分でぶっ倒れるかなりヤバイ代物ですよ。

だから迂闊に触らないようにね。ガルくん。


「っ!そういことは早く言ってくださいよ!」


ガルくんは慌てて手を引っ込めた。

そういうわけで、使える人は限られてくるんですよ。


実はポンコツおバカさんは、MPだけは人よりとっても多かったのよ。

それで今回白羽の矢がたったのだろうと予測されるわけです。


じゃなきゃ、ぺっぽこ詐欺師にこんなもん渡さないだろう。


それにしてもだ。


よっぽど切羽詰まっていたのか渡したやつもポンコツだったのか…

とりあえずブラックシャドウにはポンコツおバカさんに杖を渡したやつについて今度は調べてもらうよう依頼しときました。


だって帝国が絡んでる可能性が捨てきれないんで。


あと20年前の事故だけど、ほとんどおじいちゃんたちに聞いた通りでブラックシャドウも依頼したのが何処の誰かは不明とのことで、こちらは継続して調べてもらうことにしました。


最後に。

前の町のブラックシャドウについてだけど、まだ新人さんなんですって。

本来は一般人に溶け込まなきゃいけないのに、彼、形から入っちゃうタイプみたいで。


「何度も注意したのに…」


そう言ってイケオジが頭抱えるのを見て、ブラックシャドウも大変なんだなって思いました。


報告は以上ですけど、何かありますかね?


「「「「・・・」」」」


皆はなにも言わず、遠い目をしてた。


うん。特になしですね。


その後ロミジュリたちにも経緯を説明。

2人はこの急展開に驚いていた。


お金はどうしても全額回収とはいかず、減ってしまっているがその他のものについてはどうやら失くなってしまったものはないようだ。


「たぶんですが。」

「たぶんですけど。」


・・・自分達の持ち出したもん覚えてないのかい!


と、とりあえず最悪の事態は回避出来たということでよかったとしておこう。





その後2つの町を経由し、親御さんたちが待つ首都に明日には到着するというところでまで来ていた。


あ、もちろんぼったくった宿屋に寄ってお金は回収させていただきました。


そして首都到着前の最後の野宿をするべく準備をしていると、アセナさんが唸り声を上げた。


わたしたちはいつでも何が起きてもいいように臨戦態勢をとる。


しばらくすると、わたしたちが向かう予定の方向から馬車が一台と馬に乗った方々が数人がやって来るのが見えるた。


すると、ロミジュリは馬車に向かって走っていった。


おいおい、この状況で勝手に動くんじゃないよ!

このバカチンどもがっ!


慌ててあとを追えば2人は馬車の脇で膝をついていた。




そしてその馬車から降りてきたのは、ロミジュリにそっくりな2人組だった。



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