アーシャへ。
アーシャへ。
アーシャがこっちに居た時よりも、アーシャの事を考える時間が増えたような気がするよ。生まれて初めてアーシャと参加しない収穫祭は、なんだかつまらなくてさ。
うるさいだけじゃ無かったんだね。
首都の野菜より美味しいなんて光栄。とは言っても、当たり前じゃない。土も水もこっちの方がずっと良いんだからね。
香水。一足遅かったみたいだね。アーシャは残念かもしれないけど、こっちとしてはずっとキンモクセイの匂いの似合うアーシャで居てもらいたいよ。我侭かな?
収穫祭も終わったし、もう少ししたら首都に行けるよ。父さんが折角だから冬をそっちで過ごして来いって言ってくれたから、冬の間そっちに居られる事になったんだ。
ほら、昔うちの畑で働いてた人で首都で食堂を開いた人が居たでしょ? なんでもその人の奥さんに子供が出来て、冬の終わりに生まれる予定らしいんだ。だから子供が生まれるまで食堂を手伝うことになってさ。
部屋も貸してもらえるし、給金も出るし、願ったり叶ったりって感じかな。首都での住所とか休みが分かったら、知らせるよ。
手紙と共に幸運を。
クリスより。