よ〜〜く考えてみようー5
「あれ?」
僕は拍子抜けした。何故なら、もっと奇抜な服装にされるのかと思っていたからだ。
「え〜?なぁに?どうかした?あ!ねぇねぇ、イイでしょ!コレ、新作なのぉ〜〜☆」
「へぇ〜〜」
意外なセンスの良さに感心していると、遥香ちゃんが耳打ちしてきた。
「学くんね、NYで学生時代からデザイナーしてたの。あ、今でもね、NYのアーティストの間で学くんのブランドは大人気なのよ!」
「へぇっ⁈」
思わず奇声を発してしまった。それくらい驚きだった。
「も〜〜、遥香ちゃんたら!そんなに大した事じゃないのに〜☆ お洋服が好きで、自分でも作ってるうちに他のデザイナーさんに声をかけてもらってやってただけで、日本に帰って来る時に折角だからってオリジナルブランドを立ち上げただけなの☆」
「へぇ〜〜……」
え、なになに?この浮世離れしたサクセスストーリー。てか、なんで今さら わざわざ三流大学に???
「あ、あのさ、アメリカでも大学出てて、デザイナーで成功してるのに、どうしてあんな三……あ、いや、また大学に通おうって思ったの?別に行かなくてもデザイナーだけで充分なんじゃ……」
すると何故かガッくんは顔を真っ赤にして、両手で両頬を包むように押さえてモジモジしだした。
「それはぁ……人間学部の教授がぁ……超イケメンなのぉ!キャーーッ☆」
ガッくんは両手で顔を隠してピョンピョン飛び跳ねながら首や体を左右に振った。
「ああ……なるほど……」
これ以上ない程の理由に僕は頷き、納得してしまった。