よ〜〜く考えてみようー4
ピンポ〜〜ン♪
誰だよ〜、もう〜、こんな時に〜〜!
もうドアスコープを除くのも面倒になり、いきなりドアを開けた。
「はい、どちらさ……ま……」
ドアの前には遥香ちゃんが立っていた。
「はっ、はっ、遥香ちゃん!」
「おはよう。何か片付けで手伝える事がないかなって思って」
陽の光が差し込んで、遥香ちゃんを照らしていた。
女神さまのようだ……。
ぽわんと見惚れていると、背後から大声が聞こえる。
「あ〜!遥香ちゃ〜〜ん‼︎」
「あら、学くんも?」
「そうなのぉ〜。あ、そうだ!こちらはアランくん。コータンの所にホームステイ中なんだって☆」
ガッくんが勝手にアランの事を遥香ちゃんに紹介していた。
「あ、いや、ホームステイというか、その……」
うろたえる僕をよそ目に、遥香ちゃんはアランに話し掛けた。
「Hello!Bonjour!Buon giorno!Ciao!Hola!Guten tag!Привет!あとは、ええっと……」
え?何?外国語が得意な人って、みんなこんな感じなの?
「Jambo‼︎」
アランが両腕を掲げて挨拶をした。
あーー……『Jambo』が気に入っちゃったんだな……。
「あら、意外!」
目を丸くする遥香ちゃんに、ガッくんも「でしょ〜?」と同意を求めていた。
僕にはわからない感覚だ。
この2人がどうして僕がやっと合格するほどの三流大学に通うのか不思議なくらいだ。
「片付けもアレだけど、アランくんの服装がちょっとねぇ?」
確かに僕の持っていた中で一番大きめの服とはいえ、アランには小さ過ぎるし、アランの風貌から周りの人が見たらダサ過ぎると思うのは安易に想像が出来る。
「ちょっと待ってて!ボクの部屋から適当に見繕ってくるから☆」
そう言ってガッくんは自分の部屋に戻って行った。
「へ?あ、いや、え?で、でも……」
(ガッくんのあの服のセンスだと……うわぁぁ!とんでもなく奇抜なアランが出来上がってしまう!)
ガッくんは、すぐに戻って来てアランをダンボールの裏に連れて行った。しばらくしてアランが出て来た。
そこには今風のオシャレなイケメンになったアランがいた。