人魚だけどなんか文句あんのか!?
人魚。その言葉を聞くと貴方は何を思い浮かべますか?上半身は貝殻等で大事な部分だけを隠し、下半身は魚のヒレで海を優雅に泳いでいる。そんな姿を思い浮かべませんか?
人魚は人間に置き換えると美形が多いと言われています。海を泳ぎ続けているので太った者が少なく健康的な体つき。日光を遮るものが海や海辺にはあまりないので小麦色に焼けた体。とても魅力的な体型である。
人魚は群れをなして泳ぐ。人魚は肌をあらわに晒している。下に至ってはもろだしだ。そんな状況がもし陸地にあるならばネバーランド、と言えるのではないでしょうか?
そんなネバーランドを夢見て一人の男が人魚の海辺と呼ばれる場所へと足を運んだ。そう心をウキウキと踊らせながら。
******
「ここが人魚がいる場所か」
男は喉をゴクリと鳴らす。男はこの日のために旅費を貯めて、仕事を辞めてきた。男は同僚からはバカと言われたが悔いはない。なぜならば街で過ごしていても誰も女性は男の相手をしてくれない。女性に相手されないならば生きている意味がないと男は考えたからだ。そうそして、女性に相手されない状況が続くならば、美人な人の身体をみて眼福な気持ちになりたかったのだ。
「あれ、今日は居ないのかな」
男は海辺をうろつくが人魚の姿を見受けられなかった。海辺沿いを歩いていると、目の前に海の家があるのがわかった。
「海の家か寄ってみるか」
男は人魚が現れるまで海の家でくつろごうと考えました。
「おっいらっしゃい。ヒレなしなんて珍しいね」
店主が挨拶をしてきた。男は近場の椅子に腰を落ろし、メニューを探した。探していると店主が男に近づく。ピチピチ。
「お客さん。注文はどうします?」
店主はピチピチしていた。服が、そして足が。
そして海辺から人魚が店に立ち寄ろうと群れでやってきた。
「お客さんどうしんだい?あっもしかしてあんたも人魚を求めてきた人かい?嫌になるねぇ。ここには人魚はいても人魚はいないよ」
人魚の海辺。別名、マーマンの酒場。
男は絶望した。
「なんで人魚じゃないんだよ!!」
男と人魚がお店で繰り広げれる日常生活の物語。
人魚だけではなく、色んな亜人がお店に立ち寄ります。