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おちんちんを取り戻せ  作者: 別次 孝
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聖法剣士ミサキちゃん その1

 俺の貞操の、危険があぶない!


 いい年ぶっこいて騒いでる村長のジジイや、お堅いクロミィなんぞは、問題にならない。

 俺の真の敵は、アレグーという青年である。

 アレグーの奴は、明らかに俺に色目を使ってきてやがるのだ!


 冗談じゃないっ。

 こんな、雄野郎のいる村に居られるか!

 離せ、おれは幼女と一緒に村の外へ逃げるぞっ。

 俺は助けが来るまで、幼女をぺろぺろしているからな!


 ……ごめん、言い過ぎた。

 ちょっと、大げさだったかもしれない。

 ただ、あのアレグーという野郎が、俺に熱っぽい視線を向けてくるのは事実だ。

 別に、いやらしい感じはしないのだが、なんつったらいいかな……。


 最初のころに、悪友の話をしたのを覚えてるだろうか?

 例の、エロいマンガやら、エロいアニメやらを勧めてきた、奴のことだ。

 そいつが自分の好きなキャラについて語るとき、同じような熱っぽい視線をしていたのだ。

 たしかそいつ、

 『誕生日をその子に祝ってもらった』

 とか、

 『クリスマスはその子と一緒に過ごした』

 とか、

 『二次元の世界に入って、その子と真剣に結婚したい』

 とか、

 かなり本気な口調で抜かしていたわけで、まあ、冗談の好きなやつだなぁと思いつつ、俺は苦笑しながらそいつの顔を見て、



 目 が マ ジ な ん で す け ど 。



 ドン引きだわ。

 うわぁ……悪友さんの頭のなか……すごくあったかいナリぃ……。

 ガチじゃねぇか、こいつ。


 中学校のころは、ここまでひどくなかったのにな。

 俺の知らぬ間に、酸素欠乏症にでもかかったのだろうか。

 え? 俺? いたってマトモだぜ、あいつと一緒にすんなよ(横ピース☆)!


 ……さて、話を戻そう。

 アレグーくんも、また然りなのである。悪友と同じようなもんだ、と俺は思ってる。

 対象のキャラ(この場合は、俺のことだ)に対して、害意や悪意がないのはわかる。

 もちろん、いきなり襲ってきたりしないっつーのも、理解してる。

 だけどさ、そんな視線を向けられても、こっちとしては対応のしようがないっつーの。


 それにさ、俺の方もある意味つらいのだ。

 まるで、俺が純朴なアレグーくんを性的な意味でだまして、たぶらかしてるように見えないこともねぇからな。

 そんなわけで、村人たちが元の村に戻ってきたとき、俺はあいさつもしないで、こっそり村を出て別行動をとることにしたのだ。

 その気がないなら、ハッキリとフってやるのが、本当の優しさだ。

 生殺しダメ、ゼッタイ。


 念の為に言っとくけど、勘違いしないでくれよ。

 俺はあの村長や、ましてや、クロミィが怖かったわけじゃないからな。


 だいたい、村人、特に女性陣は、すっかり俺の味方になってくれてる。あの妊婦さんみたいなことはもう起こらないとしても、最初みたいに追い出されたりはしない、と断言できる。

 特に十代から二十代の若い村娘たちのハートを、俺はがっしりと鷲掴みにしているのだ。

 あの村長のクソジジイはゴキブリのようにしぶとく生きてるようだが、昏倒したり錯乱したりしたせいもあって、すっかり求心力を失っている。このぶんだと俺の前言の通り、本当にアレグーが村長になってしまうかもしれん。


 それにクロミィに関してだが、むしろ姉萌えの俺にとっては、年上の彼女はストライクに当たるのだ。クソ真面目でからかいやすいし、不器用で男に不慣れなところがあるのもいい。

 『母親が早くに死んだので、母代わりをしている姉。

  まじめで年の割にしっかりしているが、

  少々融通がきかず、恋愛にうとい女子大生』

 みたいなキャラに、ちょっと近いだろうか。


 ただ、女であることを捨ててるような部分があるのは、ちょっといただけない。

 あれでお姉さん特有の、包みこむような優しさがあったら、まさにど真ん中だったのに。


 クロミィは、化粧っ気が全然ないのに、人目を引くほどに外見はかなりいい。それにあのお堅い性格だから、まず間違いなく処女だろう。さらに鍛えていて、ぜい肉のない引き締まった体のラインも最高だ。くわえて、鎧の下の胸もかなりのものではないか、と俺は踏んでいる。はさんでもらえたら天国だろうなぁ。

 ……ぐはっ、その『はさんでもらうもの』が無い、という恐怖の事実を思い出しちまったぞ。


「ちくしょう」


 思わず口に出してしまい、同行者が心配そうな顔を向けてきた。


「ミサキおねえちゃん、どうかしたの?」


「え? いや、なんでもないよー」

 俺は、にっこりと笑ってみせた。


 はてさて、俺は村を出るとき、また気楽なひとり旅だ、と思っていたのだが……。


「おねえちゃんと、一緒に行く」

 といって、ケイコちゃんが言うことを聞かない。


 村を出て国都で修行する以上、紹介役であるクロミィのアホに同行した方がよい、と説明したのだが、納得してもらえなかった。まあ、クロミィのことを『わるいひと』だ、と煽って遊んでしまった俺も、よくなかったとは思う。

 なのでケイコちゃんは、俺が責任をもって、国都に送り届けることになった。

 ぺろぺろ。


 いや、ぺろぺろしてない。

 ほっぺにチューはしたけど。


 おいおい、言っておくが、合法だぜ?

 むこうが、チューしてほしい、とおねだりしてきたんだ。不可抗力さ。


 俺はなるべくゆっくりと歩きながら、ときどき立ちどまって振りかえる。

 ケイコちゃんが、一生懸命ついてくるのだが、歩き方がまたたまらない。

 どういうわけか、ペンギンのように、左右にひょこひょこと揺れながら歩くのだ。


 白い肌に、きれいな金髪。

 どこか眠そうな雰囲気の目。

 ちっちゃな体で、ペンギン歩き。


 いったいなんなんだろうね、この可愛い生き物は。

 俺は思わずケイコちゃんを抱き寄せると、思うぞんぶん頬ずりをした。


 しつこいようだが、俺はロリじゃねぇぞ。

 当のケイコちゃんだって、

「ふみゅー、おねえちゃん大好きぃ」

 とか言って喜んでるんだ、ちょっとくらいならいいじゃないか。


 ……そういえば悪友は、妹萌えだったっけか。

 いまの俺を見て、『代わってくれ!』と泣きついてくるかもしれん。


「でも、おちんちんは無しだぜ」


 つったら、奴はどんな反応を示すだろうか。

 たぶん、それでもイエスと言うだろうなぁ。

 そこそこ自信があるから、金を賭けてもいいぜ。


 まあ、百ペリカくらいならな。

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