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わたしはまほうつかいになった

みんな、おなじでなくてもいいんだよ

作者:
掲載日:2026/01/22

わたしはリオン、今はまほうつかいの修行をしているところ。


わたしが使えるまほうは、虹色にきらめくペンで物語を作ること。


ふつうのペンとちがうのは、わたしが心や頭の中で思い浮かべたものが、わたしが自分で書こうとしなくても、自動で文字になってスルスルと紙に書かれてゆくの。


わたしはペンをそっと指で支えているだけでいいの。


わたしが物語を書くことにしたのは、自分だけの物語が欲しかったから。


物語はその物語を作る人のもので、物語の結末はその作者以外は誰もどうにもできないということを知ったからなの。


わたしはまだ大人とは言えないけれど、少し大きくなったので、昔はかなしくてしかたなかった物語も、なんとか受け入れて読めるようになった。


もう昔みたいに、かわいそうな主人公達を助けてあげなきゃなんてことは、あまり思わなくなった。


それでも、まだ時々は助けてあげたいなあって感じてしまうことはある。


そんな時は、わたしがわたしの物語を作って、その物語でそのかわいそうだなあと思った人たちを助けてあげることにした。


別のお話になってしまうけれど、それならハンスさんのように困られせてしまうこともないから。


わたしが物語を作るようになって思ったのは、同じ物語を読んでも、その同じ物語を同じようにいいなとか、すてきだと感じることができたとしても、だからといって、それでその人が自分と気の合う人とは限らないということ。


わたしがいいな、これすてきだなあと思っても、そう思わない人もいる。


わたしがこれはなんかいやだなあって思うものでも、それをいいなとか、それ大好きって思う人もいたりする。


好きな本が同じでも、同じ物語を気に入っていても、だからといってその人と仲良くなれるとは限らない。


何もかもを自分と同じように感じる、思う人はいないのよね。


なんでこの物語が好きなのに、どうしてこんなことをするの?


あの物語をあんにいいよねって言っていたのに、なぜこの人はこんなにひどいことができるの?


ということが何度もあったの。


この人は本当に物語の意味とか、物語が教えてくれていることをわかっているのかしら?


物語は全部が学校の教科書、道徳の本のようなものではないけれど、大切なことを教えてくれたり、気がつかせてくれることもあるのに。


ただ楽しい、ただおもしろいと思うだけでおわりにしてしまう人もいるのだなって知ったの。


わたしが作る物語を読んでくれる人の中にも、わたしの物語に文句やケチをつけてくる人もいる。


ああしろ、こうしろ、これは変、これはおもしろくないとか、色々ケチをつけるためだけに読んでいるのかなあこの人は?


って思ってしまうこともある。


まるでモンスターみたいな人ね。



だからわたしはそんな人にはこう言うの。


「そんなにわたしの物語が気に入らないなら、あなたはあなたの物語を作ったらどうですか?」


とか


「それなら、あなたがそういうものを書けばいいのではないですか」


って。


でも、そういう人って、なぜか自分では物語は書かないのよね。


ただの文句製造メーカーなのかな?


それとも、うそをつくのをやめられない病気みたいに、文句やケチをつけるのをやめられない病気なのかな?


何をおもしろいとか、どんなことが楽しいと感じるかは、人によってちがうから、それはそれでいいと思う。


みんな、同じじゃなくてもいい。


でも、自分とはちがうからといって、わざとケチをつけるとか、文句ばかり言いにくるとか、いやがらせのようなことをするのは、それはちがうと思うの。


自分とちがう人はいてもいい。


わたしはその人ではないし、その人はわたしではないから。


わたしはわたし。


その人はその人。


みんな違ってそれでいい。


無理に合わせることも、無理に同調や同意することはないって思うの。


むりやりでも合わさせるとか無理に同意や同調することを相手に求めるのは、それはいじめと変わらない。


自分と同じように感じろ!


自分と同じようにしろ!


自分に全部合わせろ!



なんて、失礼よね。


自分はぜんぜんできないくせに。



そういうのは「おうぼう」というらしいけど。


ママやパパは、そういう人を「やばんな人だね」って言うわ。


何でもかんでも自分に合わせないと我慢できないとか、何でもかんでも自分と同じじゃないのは許せない


「そんな人は体は大人でも心が子どもすぎるんだよ」

「心がリオンよりもお子ちゃまなのよ。だから気にしなくてもいいのよ」


って。



誰かと自分は同じじゃなくてもいい。


人と違っていいんだ。


わたしとあなたも、みんなも。


みんなそれぞれが、それでいい。



そんなことが自然に受け入れてゆける物語をわたしは書いてみたいな。


このきらめく虹色のまほうのペンで。


みんながそれぞれに、かがやいてゆけるように。



(おしまい)

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