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秒で半額セール

作者: 笛鳴ことり

あと1週間、、、、、。



あと1週間何とかやり過ごせば給料が入ってくる。



それまでこの手元にある1000円で何とかしなくてはならない。



何でこんなことになっているかって?



それは僕がとても見栄っ張りだから。



好きな子に何でもプレゼントしちゃうし、すぐ奢っちゃうし~。



だから月末はいつもこんな感じだ。



先月なんか給料日まで後1週間って時に500円しかなかったんだから。



だから今月は優秀な方だ。褒めて欲しいくらいだ。



冷蔵庫は空っぽ、、、、。



さぁーてこれから楽しい買い出しが始まる!



良かったら付いてきても良いよ!



でも付いてこれるかな?



僕は爆速で自転車を漕ぎ山の方へ向かう。



そこで山菜を沢山採っては自転車のカゴへ投げ込む。



そして次は川へ行き魚釣りだ。



僕にとったらお遊びみたいなもんだ!



大漁~!大漁~!



さぁ!最後はスーパーへ行きそろそろ割引きセールの時間だ。



見栄っ張りの僕は割引き品を買う姿を知り合いに見つからないようにと黒い帽子を深く被り、黒いサングラスを掛け、体型がバレぬよう黒いコートを着ていざ店内へ!



すると惣菜コーナーのコロッケが半額の半額になっているのを見つけた。残り一個だー!



よーし!っと手を伸ばしたその瞬間!1人のおばさんが先にコロッケを取りカゴに入れてしまった。



おばさんの顔を凝視し、知り合いじゃないことを確認すると、、、



「あの~。すみません。僕なにも食べてなくて、、

コロッケ譲って頂けませんか?」



と山、川でドロドロになった手をアピールしながら精一杯演技した。



「あぁそうなの。何だか可哀想ね。譲ってあげるよ。」



と簡単にコロッケをゲットできてしまった。



よっしゃ!!



これで肉を買わなくても何とか満足な食事が取れそうだ。



あとはこのスーパーにあるとっても大きくて美味しくて激安のパンを買えば今日の買い物は完了だ!



おぉーーーーーー!!そのパンまでもまたしても半額じゃないかー!!



やすぅーー!やすぅーー!



僕のテンションはぶち上がってしまっていた。



思えば今日は朝から山菜取りに魚釣りに大忙しだった。



最後にスーパーでこんな激安コロッケと激安パンに巡り合えるとは、、、!!



あぁーーなんてツイテイル日なんだ!!



神様仏様ありがとう!!



そう思いながらレジに並んでいると、、、。



レジに僕の好きな子が店員さんとして働いていた。



僕は一瞬でパニックになってしまった。



何で?!何で?!


 

この間まで本屋さんでバイトしてたのに?!



ヤバ!半額の半額のコロッケとパン買って、



こんな黒ずくめの変装までして、、、。



いやいや、大丈夫だ。落ち着け自分!



気がつくはずがないだろ!!



しかもまだ研修中で初心者マーク付けているからそんなお客さんをジロジロ見ている余裕もないだろ。



あぁーー!初心者マークをつけている姿、、、



なんて初々しくて可愛いんだ!!



眼福極まりない!!



うん?店員同士で何か話しているぞ。



こっちを見て話しているようだ。



あ!!あのコロッケ譲ってくれたおばさん店員さんだったのか。



僕の好きな子に何か渡しているようだった。



レジの順番がついに来た。



「いらっしゃいませー。こんばんはー。」



「こんばんはー。」



「あのー。良かったらパンの耳タダなので差し上げます。」



「ありがとうございます。」



「ポイントカードありますか?」



「はい。」



いつもの癖ですかさずカードを出した。



が!!やってしまったー!!!



ポイントカードには僕の名前が思いっきり書いてあるのだ。



「え?!〇〇君?!」



「やぁ!ここでバイトしてたんだー!」



「何かいつもと感じ違うね、、。」



「良かったらこれチップにしてよ!」



僕はなけなしの1000円をしょーもない見栄のせいで一瞬にして無くしてしまった。



ついでにこの行きつけ激安スーパーにはもう来ることは無いだろう、、、。



もう違うスーパーへ行くしかないかな~。



あなたの町のスーパーで黒帽子、サングラス、黒いコートを着た僕を見つけたらコロッケの半額の半額は絶対譲って下さいね~。



それではまたどこかで~!アディオス!ww





































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