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初詣新年2000年
俺は弓枝を助手席に乗せ、二号線を西へ目指して走った。寛太か。つまらぬことは忘れてしまえ。弓枝と無邪気にはしゃぐ。さっき見た、初夢の話をしたら、弓枝は笑って、笑って。気が付けば、明石か。ちょっと、二人でお茶して。
「兄ちゃん、横におるの、奥さんか、偉いべっぴんさんやな」
「ま、まあな。そうやな、奥さん、ちゃうけど、彼女は彼女やで。羨ましいやろう」
喫茶店のマスターと話す。正月から、店開けんと、儲からん、とずっと言うてはる。弓枝はマスターと談笑。面白いんやろうな。確かに、弓枝はべっぴんさんや。大事にせな。サービスでいただいた、お餅、美味い。ほんまや、弓枝を大事にせなかん。親父も、店のみんなも。俺と弓枝はマルボロに火を点けて。勿論、アトリエの皆に、しっかりした絵を描かな、あかんな。不幸の後にはなんちゃらって言うやろう。マスターにサヨナラして、姫路を目指す、二人に罪はない。車の中で、また、現実の弓枝とキスを幾度か繰り返しては、アクセルを踏む、俺がいる。その横に、しっかり、弓枝が。西へ、西へのお正月。偉い、べっぴんさんと。




