エピソード4
その夜、アオイと正一は噂の現場へと足を踏み入れた。
街外れの小さな公園。街灯の光がぼんやりと地面を照らしている。
「ここが噂の場所か……」
正一が周囲を見渡しながら呟く。
「もし、本当に幽霊がいるなら……」
その時、背筋が凍るような囁き声が聞こえた。
『お前の新しい人生、楽しめよ』
アオイの血の気が引いた。
「聞こえた……よな?」
正一も顔をこわばらせながら頷いた。
ふと、背後のブランコが、誰もいないはずなのに軋む音を立てて揺れ始めた。
アオイはごくりと唾を飲み込んだ。
「……これ、マジでやばいやつだ。」
手がかりを求め、アオイと正一は街へ出た。
普段なら気にも留めないような会話が、今は重要なヒントになるかもしれない。
「なあ、最近変な噂とか聞いたことないか?」
アオイはコンビニ前で話していた地元の高校生たちに声をかけた。
「変な噂? ああ、そういえば……」
一人の少年が少し考え込む。
「このあたりでさ、夜中に女の声がするって話、聞いたことあるか?」
「女の声?」
「そう。しかも誰もいない場所でさ、『お前の新しい人生、楽しめよ』って囁くらしいんだよ。」
アオイと正一は顔を見合わせた。
それは、まさにアオイが夢で聞いた声と同じだった。
「……詳しく聞かせてくれ。」
アオイの胸が高鳴る。
呪いの正体に近づきつつあるのかもしれない。
* * *
その夜、アオイと正一は噂の現場へと足を踏み入れた。
街外れの小さな公園。街灯の光がぼんやりと地面を照らしている。
「ここが噂の場所か……」
正一が周囲を見渡しながら呟く。
「もし、本当に幽霊がいるなら……」
その時、背筋が凍るような囁き声が聞こえた。
『お前の新しい人生、楽しめよ』
アオイの血の気が引いた。
「聞こえた……よな?」
正一も顔をこわばらせながら頷いた。
ふと、背後のブランコが、誰もいないはずなのに軋む音を立てて揺れ始めた。
次の瞬間――。
霧が立ち込め、ぼんやりとした人影が浮かび上がる。
その姿は、少年だった。
「……やっと、会えたな。」
かすれた声が響く。
アオイは息を呑み、目を見開いた。
「お前……誰だ?」
しかし、答えはない。ただ、その少年の目は、深い恨みを秘めていた。
アオイや正一がさらに幽霊に問い詰める?