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第67話 密談

 あの船は素晴らしいわ。

 あれほどのものがこの世に存在するなんて想像もできなかった。

 そうなると、あの本に書かれていたこともデマではなく事実なのかも知れないわ。

 いいえ、そんな絵空事より今は目の前の現実よ。

 あれを私の手に収めることが出来れば、ガイスト様も私に振り向いてくれるはず。

 その為にももっと情報が必要なのよ。


「……ふーん。それで、船のことはどうなの?」

「それについてはまだなにも……」


 なにも?!

 貴方はあの船の重要性を理解していないのかしら。


「使えないわね。一番に情報を聞き出しなさい」

「はい」

「手段は任せます。なんとしても引き出しなさい」

「はい。それで……その」

「分かっているわ。貴方がきちんと仕事をしてくれれば、進化の儀についても計らってあげる」


 …………ふんっ、人間の分際で生意気な。

 ろくに仕事も出来ていないのに、対価だけは一人前に要求するんですから。

 ま、役に立つ内は利用してやりましょう。

 それがガイスト様のお役に立つのであるならば、例え人間相手でも取引をしてやりましょう。

 ……ああ、それにしても素晴らしい船。

 私が触れてもなんともなかった。

 あの船ならば、この狭苦しいクヴンシュタットから出ることが出来る。

 ガイスト様の世界を広げることが出来る。

 ああ、なんて素晴らしいことなんでしょう。

 できることならば、お互い人間の内に出会い、ガイスト様の御子(おこ)を身籠もりたかったわ。

 ……滑稽ね。

 人間を(さげす)んでおきながら人間に(あこが)れる。

 ああ、この身が憎い。

 今私に出来ることは、ガイスト様のお役に立つことだけ。

 その為にもあの船が必要なのよ。

 なんとしても手に入れなければっ。

次回、2人でレッスン

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