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第179話 学習完了

〝させないのでございますっ〟

「なに?!」


 ……なにが起こったのでしょう。

 僕と魔神(まがみ)の間にナームコ様が割り込んできて受け止められた……ように見えます。

 都合のいい幻覚……ではなさそうですね。


『皆さん、遅くなってごめんなさい』

『ルイエ様……で御座いますか』

『はい』


 ルイエ様の学習が終了したということでしょうか。

 だとしてもそれだけであの突進を壊れた片手で……いえ、壊れていませんね。

 修復したということでしょうか。

 あれよりも弱い突進に耐えられなかったというのに……


『まったく、遅いのでございます。ですがこれで漸く全力が出せます。ルイエ様、第3形態へ移行するのでございます』

『了解。第3形態へ移行します』

「なんだ?! くっ。うわぁ!」


 受け止めただけでなく押し返せるとは……

 頑強さだけでなく力も上がっているようです。

 たったあれだけのことでここまで変わるものなので御座いますか。

 そして第3形態ですか。

 先程は(せめる)君に(まもる)君が背中にしがみ付いただけでしたがこれは……

 明らかに大きくなってませんか。

 しかも触手が伸びてきて……なっ。


『なにをするんですかっ』

『落ち着くのでございます。デイビー様を攻守君の中に取り込むだけなのでございます』

『取り込むですっ……う、うわあ!』

『わたくしが操縦致しますので、デイビー様には火器管制をしていただきたいのでございます』

『火器管制? 異世界の技術に触れたことはありますが実際に使ったことなんてありません』

『狙いを定めて撃つだけなのでございます。細かいことはルイエ様が補助なさるので大まかでよろしいのでございます』

『大まかといわれましても……うーん』


 これが石人形(ゴーレム)の中ですか。

 中とは思えないほど視界が広いですね。

 本当に中に居るのかと疑いたくなるくらいです。

 ですがナームコ様の姿もスズ様の姿も見えません。

 本当にお二人も同乗されているのでしょうか。


『娘、調子はどうだ』

『そうです。スズ様は限界なのではないのですか』

『問題あ()ません』

『ルイエ様を追い込むための演技なのでございます』

『えっ、そうなんですか?!』

『っはっはっは。なるほど。ではまだまだいけるということで御座いますね』

石人形(ゴーエム)はアトモス号と違いエネ()ギー変換効率(こういつ)(わゆ)いので魔力(まいょく)の消費に対して生産が間に合いません』

『ほう』

『そう仰るデイビー様も余裕があったように感じたのでございますが』

『そうですね。目的が時間稼ぎでしたのでやられた振りをしていましたが……危うく振りではなくなるところで御座いました』

『うう……みんなしてルイエを騙してたんですね』

『ピンチを演出して真の力を目覚めさせるのは王道なのでございます』

『そうですね。勇者小説でもよくある手法です』

『もう。そういうことにしてあげます。そんなことより魔神(まがみ)が起き上がります。備えて下さい』

『備えるのはルイエでしょ。各所確認は終わったの?』

『モニターに表示します』


[各損耗率

 右脚部 77.5%

 左脚部 84.3%

 右腕部 77.1%

 左腕部 59.1%

 胴体部 88.3%

 魔導反応炉エーテル・リアクター・エンジン 80.3%

 各種伝達経路 56.6%]


『稼働問題ありません。予想稼働限界時間 5分59秒』

『うん、タイムと結果は同じだね。じゃあマスターのところに戻るから、後はお願いね』

『分かりました。任せて下さい』


 ほう、随分と頼もしくなったものです。

 しかしダメージは大きいみたいですね。

 問題ないということですが……


「いってててて……くそっ、ホントなんなんだよ! があああああっ!」


 む、纏っている魔力がぐんと上がったようですね。

 まだ余力があったということですか。

 こちらも底上げできたようですが……さて。

 お手並み拝見といきますか。

次回、念願成就

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