第七話 運命の日
今回は主人公の視点は一度も出ません。
ある人の視点のみになります。
今日私は運命の子に出会った。そして今日私にとって運命の日になるでしょう。
私の名前はユミナ。貴族じゃないから姓は無いよ。今はFランク冒険者として始まりの森で頑張ってます。
私の職業は精霊術師なんだよ!!すごいでしょ!!
っえ?職業も精霊術師もわからないって?しょうがないなー、今は気分がいいから教えてあげる!!
私たち冒険者のいう職業っていうのは、冒険者になる時に適性検査を受けて適性があった職業につけるんだ。私の場合はそれが精霊術師ってこと。
そして職業に着くとさまざまな恩恵を受けれるんだ。剣士なら筋力が上がったり、魔法士だったらマナが増えるなど様々な恩恵があるんだ。
次に精霊術師のことなんだけどこれが癖が強い職業なんだよね… 精霊術師はレアな職業らしくって10年に1人ぐらいの確率の職業で最高ランクのSランク冒険者になった数が一番多いい職業なんだよ。
何故なら精霊は人より高度な魔法を無詠唱でいくらでも撃ちつずける事が出来るからね。
そして国によっては精霊術師なだけで敬れる始末。それは精霊が神の使徒って言われているからね。あとはなんでかわかるよね?
これだけ聞くと最強の職業じゃん!!って思うでしょ?でも精霊術師は契約するまでは恩恵をもらえて無いただの一般人と一緒なんだよ。
精霊術師の恩恵はね、契約した精霊を召喚できる。契約した精霊と話せるようになる。精霊のいる場所がわかるようになる。
この3つなんだよ。だから私を強化する恩恵が無いから一般人って事。
それに、精霊はまず全然生まれない。生涯に一度でも見れたら幸せと言われるぐらいなんだよ。だから恩恵で精霊の場所が分かるようになってもまず精霊がいなければ意味が無いんだよ。
さらにさらに、精霊は上級以上になるととても知能が発達して闘いなどを嫌ったりして、ほとんど契約に応じてくれないんだって。そして中級以下でも契約なので、「いや」と言われたらあきらめないといけない。
もうここまで聞いたら皆わかるよね?精霊術師は超運要素が高い職業なんだよ…ならなんで私がその職業にしたって?
だってカッコいいじゃん!!ずっと魔法撃てるんだよ!!めちゃ強いじゃん!!
って感じかな?自分でも子供かっ!って思うよ?実際、精霊術師にしてなかったらもう始まりの森にもいないと思うし。でも絶対いつか後悔すると思ったんだ。私なんかに精霊術師の適性があったのに選ばないなんて。
でも今日で一般人は終わりだ!私はあの子に出会ったんだ!
私は出会った瞬間に
(あっ!この子だ!!この子しか無い!!)
って思ったんだよ。それからゴブリンを倒している時はずっと私が指示をしてあの子が戦っているような感覚に陥っていた。
そして気が付いたら戦いは終わっていた。あの子はすぐに森に帰ってしまったけど恩恵のおかげであの子の場所も分かる。
今から日が落ちていくので本来は明日まで待たないといけないが、私に明日まで待つなどの選択肢は無かった。
私は迷うことなく一直線に走っていきあの子を見つけた。その子はただ浮いているだけなので初級精霊なのだろう。しかしあの時火の中級精霊以上しか使えない魔法も使っていたので進化したばかりなんだろう。
ってなに考察をしているんだよ私!!早く話しかけて契約してもらわないと!!
私は勇気を振り絞ってその子の前に行き声をかけた。
「火の精霊さん。初めまして。私は精霊術師のユミナって言います。もし良かったら私と契約をして一緒に冒険をしてみない?」
私がそう話すとその子は私をじっと見たような気がした。多分話は理解したのだろう。そしてしばらくしたら私に飛びついてきた。
「契約してくれるの!!」
その子は私の周りをぐるぐる回った。これは了承と、とっていいだろう。だから私は契約の儀式を行った。
「精霊術師ユミナは火の中級精霊と契約を行いともに精進していくことを精霊王様に誓います」
こうして私は正式に契約を行い本当の精霊術師になれた。
私はこの運命の日を一生忘れることは無いと思います。