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架空戦国伝  作者: 佐村孫千(サムラ マゴセン)
第5章 祐藤の野望編
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29.細野の戦い(2)

志太軍による海上からの地獄式鉄砲の砲撃を受け、忠益らは細野城へ退却した。

援軍が来るまでは細野城で籠城戦を行う作戦である。


一方、志太軍は既に村上島に上陸し、細野城を攻撃する準備を始めていた、

先程の砲撃において火薬と弾を使い果たした事によって海上での攻撃方法を失った為である。


祐藤

「これだけ鉄砲で砲撃すれば充分であろう。では、夜が明ける前に細野城攻め落とそうぞ。」


これに対し、崇数が異を唱えた。


崇数

「殿、細野城には迎撃用の砲台が準備されております。籠城戦を選んだ村上軍は間違いなく我らが城に接近したことを見て砲撃するでしょう。今度は我らが村上軍と同じ目に遭いますぞ。」


細野城には迎撃用の砲台が城を囲むように配備されており、包囲兵を砲撃により一掃することが可能である。

なるほど、忠益が迷うことなく籠城戦を選んだわけである。


祐藤

「砲台か…。村上軍は実に厄介な物を作ったな。どうやら此度の戦で細野城を手にすることは難しいかも知れぬな。」


祐藤は悔しげな表情で言った。


と、その時に凄まじい馬の足音を立てて志太軍の本陣を目掛けて突進する一人の若者がいた。

どうやら志太軍の警備をかいくぐってここまで来たようである。

若者は乗っていた馬から勢い良く降りると同時に祐藤の元へ駆け寄った。

そして敵意が無いことを志太軍に知らせる為、若者は腰に掛けていた刀を地面に置いて祐藤に向かって言った。


若者

「志太祐藤殿でございますな。お伝えしたいことがございます。」


祐藤

「あれだけの兵がいる中を突破してここまでたどり着くとは天晴な奴じゃ。良かろう、話を聞こうではないか。」


祐藤は敵か味方か分からぬ若者に対して感心の言葉をかけていたが、この一瞬の出来事には動揺の色を隠せないでいた。


若者

「ははっ、有難きお言葉。それでは申し上げます…。」

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