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架空戦国伝  作者: 佐村孫千(サムラ マゴセン)
第5章 祐藤の野望編
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19.徹底抗戦

先日より交渉の為に村上島へ向かっていた貞勝は無事に現地へ到着し、当主の長継と面会した。


貞勝

「志太家家臣、吉江貞勝と申します。本日は村上家への外交の使者として参りました。」


長継

「拙者が村上家当主の村上長継でござる。して、志太家が我が村上家に何の用であるか。」


簡単な挨拶をお互いに交わした後に貞勝が口を開いた。


貞勝

「長継殿、心苦しいかとは思われますが戦の無き世を目指す為にも志太家の天下統一にお力添えを願いたい。我らとて村上家との無益な戦いを交わしたくはござらん。本土の安堵は拙者が約束致す故、我が軍門へ降ってはもらえぬであろうか。」


貞勝は冷静な口調で長継に対して言った。

戦の無き世という綺麗事を全面に出して説得を試みてはいたが、臣従をしろという脅迫の意味であることに何ら変わりは無かった。


貞勝の交渉に耳を傾けていた長継は、表情を一つも変えることなく答えた。


長継

「貞勝殿よ、少し前の拙者ならばお主ら志太家に兵を預けるのも悪くは無いと思っておった。じゃがしかし、拙者は気づいたのじゃ。この村上島は我らのご先祖様が苦労して手にした地であると。そうやすやすと他の大名家に渡すほど軽いものではござらん。残念じゃが祐藤殿にもそう伝えられよ。何があろうともこの村上島は我ら村上家が守り抜くとな。」


明らかに交渉の時期が悪かった。

貞勝が村上島へ向かう少し前に村上家での評定で他家との徹底抗戦の構えを見せるという決断を長継が下したからである。


貞勝

「分かり申した。村上家の意地を通されるわけでございますな。次に会う時は戦場かも知れませぬがお覚悟下さいませ。」


貞勝はこれ以上の交渉は不可能と判断し、村上家を後にした。

志太家と村上家による戦の種が蒔かれた瞬間であった。

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