14.黒子の善政
黒子城で義道による内政が開始されて数ヶ月が経った。
結果として領民たちの支持を得ることができ、悪政を強いていた頃に他国へ亡命していた領民たちの出戻りも相次いだ。
それに加えて他国からの亡命もかなりの人数がおり、黒子城の人口は以前の倍以上に増えた。
黒子城は前任の松永国輝と沖国時が治めていた頃とは比べ物にならないほど活気に溢れていた。
領民たちは皆、口を揃えて志太家が領主で良かったと心から思えるとまで言われていたという。
義道
「どうじゃ、兄者。俺にかかればこんなものよ。」
自信に満ちた表情で義道は言った。
祐藤
「いやはやお前にここまでの能力があるとは思ってもおらんかった。ようやってくれた。礼を言うぞ。」
祐藤は非常に恐縮した様子であった。
この内政は後に黒子の善政と呼ばれ、義道の出世の糸口になったとして語り継がれている。
祐藤
「黒子はこれで潤ったのは良いが今度は志天城の資金が尽きそうじゃ。義道よ、お前ならどう対応する。」
今回の内政は祐藤が全面的に資金面で援助していたこともあり、志天城が資金難に陥りかけていたのだ。
資金が豊富であったと言われている志天城であっても莫大な予算には流石に耐えることは難しかった。
黒子の地が大きく栄えた故の代償は大きかったようである。
祐藤による必死の問いかけに対し、義道は口を開いた。
義道
「領民たちに寄付を募れば良いことよ。幸いなことに今の志太家は領民たちから感謝されておる。ちいと協力してくれと頼めば幾らかは足しになるじゃろう。」
義道は、領民たちが潤ったことによって寄付などを行う余裕が出てくるであろうと見込んで今回のお触れを出していたのだ。
更に今回の資金難も想定通りであり、解決策は既に義道の中で練られていたという。
後日、祐藤は義道の言った通りに志天城で寄付を募ったところ、予想をはるかに上回る資金が舞い込んできたという。
義道が善政を行い、領民の心を掌握した賜物と言えよう。
これにより、悩まされつつあった志天城での資金問題は収束に向かっていった。
義道は初めての主命にも関わらず志太家の天下統一事業に大きく貢献したことになる。





