31.討伐に向けて
志太家による白河家討伐の大義名分を得た志太軍は、出兵の準備を進めていた。
同盟国の大月家も今回の戦に対しては協力的で援軍を派兵してもらえることになっている。
祐村
「白河家による将軍守護職の時代は広氏の代までじゃ。これからはその役目、志太家が引き継ごうぞ。」
志太家の軍勢は意気揚々としていた。
一方その頃、白河家では間もなく志太軍が池山城への侵攻を開始するとの情報が入り、城下は混乱していた。
広氏
「望むところじゃ。白河家は代々将軍守護職の役職を与えられた名門ぞ。田舎侍出身の志太家になどに負けるわけが無かろう。目にものを見せてくれようぞ。」
広氏は家臣たちを奮い立たせようと力強い口調で言った。
しかし、先日に口羽崇数親子が志太家に寝返ったこともあってか家臣たちの不信感は最高潮にまで達しており、士気は非常に低い様子であった。
この時期に軍師という重要な役目を果たす家臣を失ったことでの影響をこの時の広氏は深く考えていないようであった。
広氏
「崇数らが志太家に寝返ったようじゃが、かような裏切り者のことなど捨ておけ。あやつらがおらんでもこの白河家は不滅であるぞ。」
こういった言動を放つ広氏に家臣たちは呆れ返った表情を見せた。
同時に、広氏は将軍守護職という肩書にすがりついている愚かな人物であると認識されるようになっていったのである。





