28.白河家からの来訪者
祐藤による工作活動が先日完了し、忍たちは池山城下での流言に取り掛かった。
忍たちはある時は町人に、またある時は城下の侍に変装して噂を広めていった。
その結果、池山城下では白河家が志太家を間もなく攻めようとしているという噂で持ち切りになり、混乱した状態であった。
さらには白河家に愛想を尽かして出奔する者や一揆を企てようとする者など様々な動きが見られた。
そんな中、白河家の軍師である口羽崇数が祐藤の元を訪ねに来た。
崇数
「池山城下では我が白河家が志太家を攻めんとしているという噂が広まっておる。率直に申すがこれはお主らの工作ではないのか。」
崇数の勘は非常に鋭かった。
祐藤
「流石は白河家軍師の崇数殿であるな。いかにも我々が忍を放って流言させたのじゃ。しかし、崇数殿に知られた以上はすぐにでも白河家を攻めるしか無いようじゃな。悪く思うでないぞ。」
祐藤は毅然とした態度で崇数に言ったところ、思いがけない回答が返ってきた。
崇数
「その事じゃが、拙者は白河家を離れてお主ら志太家に加勢しようかと考えておる。広氏様が家督を継がれてからの白河家はどうも拙者には窮屈でな。」
祐藤は怪しげな目で崇数を見た。
この崇数という男、全くもって何を考えているのか分からない。
しかし、崇数は軍師として非常に優れた才能の持ち主であることを祐藤は認めており、志太家の戦力としては喉から手が出る程欲しい存在である。
祐藤
「では、お主が志太家に加勢すると言うのであれば誠意を見せてもらおうではないか。話はそれからじゃ」
祐藤は落ち着いた口調で崇数に言った。





