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架空戦国伝  作者: 佐村孫千(サムラ マゴセン)
第6章 風雲志太家編
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33.人質奪還計画(4)

宗重が志天城に招集され、祐藤の元を訪ねていた。

そして祐藤から直々に主命を言い渡され、その内容の説明を受けた宗重は意気揚々としていた。

しかし、同時に自身がこの主命を無事にこなす事ができるのであろうかという不安も感じていたようであった。


宗重

「祐藤様、工作活動の内容は承知致しました。此度の主命は大がかりな物となります故、少しばかりの期間を頂きたくございます。」


今回の工作は相当な準備が必要であり、失敗は許されないと宗重は肝に銘じていた様子であった。


祐藤

「うむ、分かっておる。柳家を含めて他の大名たちにはお触れで秋庭家を攻めぬように釘を刺した故、ある程度の時間稼ぎは出来ようぞ。」


祐藤は、焦りを感じていた宗重にそう優しく語りかけていた。

事実、志太家として各国に秋庭家を勝手に攻める事を禁止するという内容のお触れのおかげもあってか、当面はその心配も無いであろう。


しかし、この戦国の世においては予想外の出来事が起きても不思議では無く、「絶対」というものは存在しない。

各国がしびれを切らして行動を起こす事も十分に有り得る故に、そこまで悠長には出来ないというのが現状である。


宗重はその事も理解した様子で口を開いた。


宗重

「ははっ。この宗重、必ずや祐藤様のご期待に一日でも早く沿えるよう粉骨砕身して参ります。」


宗重は覚悟を決めた表情であった。


祐藤

「うむ、頼もしい限りの返事じゃ。じゃが、幸盛という男を侮るべからず。己の為であらば家臣をも平気で斬り捨てる非情な男であると聞く故、十分に気を付けられよ。」


祐藤は家春から幸盛がいかに非情な人物であるか聞いていた事を宗重にも伝え、注意を促していた。


幸盛の手によって粛清された家臣は相当な数であったと言われている。

幸盛が少しでも気に食わない事があれば、それに関連した家臣の首を簡単にはねるなど非常に身勝手極まりない恐怖政治を行っていたという。

それ故に柳家の家臣たちは、幸盛のご機嫌を取りつつ功績を残す事に力を注ぐしか無かった。

しかし、ある程度の地位を築いた者であったとしても幸盛の理不尽な命によって失脚させられるという事もしばしばあったと言われている。

ここまで来れば最早奴隷と言っても過言では無かろう。


祐藤は、そのような危険な国に対して今回の工作を行うという事を改めて宗重に知らせて気を引き締めさせていた。


宗重

「承知致しました。細心の注意を持って柳家に悟られぬよう努めて参ります。では拙者はこれにて失礼致し、早速ご主命に取り掛からせて頂きます。」


そう言うと宗重は早々に志天城を後にした。


祐藤

「奴ならば此度の工作は立派にこなしてくれるであろう。期待しておるぞ、宗重よ。」


一人になった祐藤は、力強い口調でそう言った。

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