57.米村山城主任命
米村山城下においての改修作業を開始して3ヶ月が経った。
前回の細野での改修と同じく貞道の配下である山賊衆を起用したことにより同様の効果が得られた。
さらに今回は崇数も改修事業に参画したこともあってか順調に進行していった。
義道
「こたびの改修も大成功であるな。崇数殿の働きもあって早うに終わらせることができたわい。」
義道は、今回の改修は崇数による功績も多いという評価を行っていた。
細野城主を解任されたという辛酸をなめさせられた崇数ではあったが、今回の米村山城下の改修に貪欲な姿勢で物事に取り組んだ結果と言えよう。
やがて祐藤が米村山城に視察に訪れ、開口一番に崇数に言った。
祐藤
「崇数殿よ、こたびの米村山城の改修作業においての働きぶりは儂の耳にまで届いておる。これからは米村山城主として民の為、兵の為により一層尽くしてくれ。」
崇数は突然の祐藤の言葉に戸惑った様子であった。
崇数
「有難き幸せにございます。領民たちが幸せに暮らせる城下を必ずや築いて見せましょう。」
やがて状況を理解した崇数は感謝の言葉を述べた。
貞道
「崇数殿よ、ついにやりましたな。これはめでたい、今宵はお祝いいたしましょうぞ。」
貞道は崇数の米村山城主の任命をまるで自分のことのようにたいそう喜んでいたという。
こうして米村山城の改修は完了し、城主に口羽崇数が新たに任命されることとなり、志太家による村上家完全制圧が間近に差し迫ろうとしていた。





