47.米村山の戦い(4)
米村山にて貞道軍と崇数軍の両軍が合流したことにより志太軍は勢力を増していた。
やがて元兵衛は志太軍が米村山を登上し、城へ侵攻を始めようとしているという状況を見て兵たちに声をかけた。
元兵衛
「志太軍が米村山を登って来たとな。皆の者よ、心配はいらぬ。本城から長継様が援軍で必ず来られるであろう。それにこの米村山城は堅城故にそう簡単には落ちぬわ。」
元兵衛は余裕そうな表情であった。
一方その頃、村上家の本城である村上城では当主の村上長継が家臣を集めて軍議を開いていた。
長継
「現在、米村山城が志太軍によって攻められておる。これより援軍を出し、元兵衛を助けに参るぞ。」
長継は勇ましい表情で家臣らに言った。
こうして米村山城に援軍を派兵することで軍議は決定し、村上城の兵たちは早々に戦の支度を進めていた。
長継
「これ以上、志太家に好き勝手な真似をさせるわけにはいかぬ。今こそ我が村上家の意地を見せつけてやるのじゃ。」
戦の身支度を整えながら長継は言った。
やがて元兵衛の元にも援軍を派兵するという伝令が伝わり、村上軍の士気は大幅に上昇した。
元兵衛
「長継様が直々に援軍を出されるそうじゃ。皆の者よ、もう何も案ずることは無い。思う存分に戦うのじゃ。」
元兵衛は安堵に満ちた表情であった。





