38.城下改修の主命
細野城を支配下においた志太家は、先の戦いにおいて荒れた城下を改修すべく動き出そうとしていた。
細野城下の改修は、祐藤の弟である大村義道を派遣させて作業に当たらせようと祐藤は考えていた。
祐藤
「そういうわけで義道よ、黒子城のようにこの荒れた細野城下を復興させてはくれぬか。」
義道
「容易いことよ。それなら兄者が傘下に置いたという徳葉城にも負けぬくらいの城下町にしてやろうではないか。」
義道は祐藤の命を快く引き受けた。
義道は以前に黒子城下において改修に携わり、大いに栄えさせた実績がある。
いわゆる黒子の善政である。
そうしたこともあってか今回の細野城下の改修役に義道が抜擢されたのであった。
祐藤
「無理も承知のうえで済まぬが、村上軍との戦いも近くに控えている故に今回の改修は速やかに行ってくれぬか。」
祐藤は心配そうな口調で義道に言った。
村上島の領土を手にしたとは言え、西側の米村山城と村上城には依然として村上軍が構えている。
いつ、再び村上軍が攻めてくるか分からない非常に緊迫した状態である。
恐らく彼らは領土を奪還すべく常に志太軍の状況を見張っているであろう。
義道
「なに、その心配はいらぬ。俺には良き考えがある故、兄者は安心して見ておれ。」
義道は自信満々な表情であった。





