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35.細野の戦い(8)
志太軍は細野城へ進軍し、全軍到着していた。
祐藤
「先程、元阿弥殿が細野城の砲台を全て破壊した。砲台の無い細野城など恐るるに足りぬ。全軍、一気に攻めかかるのじゃ。」
そう祐藤が言うと、志太軍は細野城へ向けて攻撃を開始した。
細野城では、依然として兵たちが混乱した状態が続いていた。
そんな中、忠益は兵たちの士気を鼓舞すべく立ち上がった。
忠益
「我らは村上家無くしては繁栄が無かった。今がその御恩に報いる時であるぞ。皆の者よ、村上家の為に戦うのじゃ。」
そう忠益が叫ぶと兵たちの混乱がぱったりとおさまった。
忠益は長継の父である長馬の時代に家臣として仕え、様々な功績をあげて細野城城主の座に就いたのである。
こう言った経緯から忠益とその家来たちは、村上家に対しての恩義は人一倍感じていた。
元兵衛
「村上家を想う気持ちは拙者も同じでござる。我らは村上家の為あらば身を投げ出す覚悟であるぞ。」
元兵衛もまた、村上家に対して恩義を感じている家臣の一人であった。
元は島内の小さな海賊衆でしかなかった坂上家がここまで繁栄したのは、代々の村上家による手厚い保護を受けていたからである。
忠益と元兵衛らによる鼓舞により、村上軍の士気は大幅に上昇していた。





