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猫にひかれて異世界生活  作者: PYON48
第一部 猫に引かれて異世界へ
6/939

06

 やっと、身体が動くようになる…

 声も出るみたいだ…

 ぼくは立ち上がる…

 見渡す限りの草原…

 遠くに白い神殿のような建物が建っている…

 日本の田園風景じゃない…

 かといって…外国でもない…

 直感的に地球ではないって感じてしまう…

 空気が違うような感じだ…


 そういえば、異世界転移とか言ってた…

 足元には丸い目で僕を見上げるトラ…


「よかったね。成功みたいだよ」


「成功って…」


「ちゃんと異世界に来たよ…

 これでずっと一緒だよ…」

 僕の足に身体を擦り付けるトラ…


「ここはどこなんだ…」


「異世界よ…」

 シロが毛づくろいをしながら答える…


「だから、なんで、こんなところに…」


「史人と僕たちが望んだからだよ」

 ブチが足元から丸い目で僕を見上げる・


「そうそう、離れたくないって、わたしたちも史人もね」

 ミケがアクビをする。


「ぼくはそんなこと…」


「でも、ずっとわたしたちといれたらなっておもったしょ」

 キジも足元で寝そべっている。


「それは…」

 そう、こいつらが貰われていくってきまったら、急に…

 こいつらといっしょにいれたらなと思った…

 もっと、ちゃんとしたところに住んで、みんな引き取れたらなって…

 でも、それは夢…

 現実問題…1匹…ちょっと無理しても2匹が精一杯…

 それに、家飼いなら、運動もできないし、かわいそうだから…


「それから、これが重要なんだ。

 僕たちが史人といっしょにいたかった…

 だから、ここに来たんだ…

 僕たちの魔法でね…」

 クロが僕の肩によじ登り、顔に頬を擦り付ける…


「わかった…

 でも、ぼくはここにいるわけにはいかないんだ…

 仕事もあるし、元の世界に戻してくれ。

 ここにこれたんならできるだろ…」


「いや~それは無理だよ…

 異世界にきたんだよ。どれくらいの魔力がいると思う?

 もう、ぼくたち…そんな魔力残ってないよ…

 6匹の魔力を全部つかったからね…」


「また、魔力を貯めれば」


 猫たちは左右に首を振る…

「そうだね…それだけの魔力を貯めようと思うと…100年くらいかかるかな」


「ほんとに…」


「うん…」


 ぼくたちはこの世界で生きていくしかない…

 ぼくはこの理不尽な現実を受け入れるしかないのだった…


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