05
「アヤトの願いを叶えてやろうよ」
「うんうん…わたしたちを助けてくれたんだからね」
「猫の恩返しだね」
僕のまわりで誰かが話している…
夢????
ぼくは目をあける…
「アヤトは僕たちと離れたくないし、僕たちもアヤトと離れたくない」
「うんうん…」
「僕たちも離れ離れになりたくない」
「うん…いっしょにいたい」
まわりを6匹の猫に囲まれている。
体がうごかない…金縛りってこんな感じ?
意識ははっきりしているのに…
「アヤトはずっと僕たちをモフモフ、ナデナデしてたい…」
「アヤトはいまの仕事が好きじゃない…」
「そして、アヤトはかわいい嫁がほしい…」
「いまの生活に満足していない…」
「そうだね。じゃあ、あれしかないよね」
クロが言うと、他の猫も全員うなづく…
あれって???
おい、何をするつもりだ!
「じゃあ、やるよ。
みんな力を合わせて…」
だから、なにをするんだ!
声がでない…
体もうごかない…
猫たちを結ぶように青白い光りが走る…
それは、魔法陣みたいな模様を書いていく…
『猫魔法!異世界!転送!』
猫たちが声を合わせる…
異世界転送だって???
やめろーーーーー
でも、僕たちは青白い光につつまれる…
まわりからその光が消えたとき…
景色は僕の部屋ではなく、僕と6匹は草原に転移していた。