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猫にひかれて異世界生活  作者: PYON48
第一部 猫に引かれて異世界へ
2/939

02

 と…知らないところで、わけもわからないことが進行しているとき、ぼくは家で猫の世話をしている。


「ごはん、ごはん」

「トイレが汚いわ。ちゃんと掃除してね」

「なでて、なでて」

「遊んでよ。ねぇ」


 そう、ぼくはこいつらに異世界に連れてこられた。


 異世界転生…


 そう、現実世界で不幸だった主人公が異世界に召喚されてチートな力で成り上がっていく。


 そんなことはあるわけない!


 チートな能力なんて与えられず、何をしているのかっていうと、

 現実世界と変わらず猫の世話をしているだけ。


 そうあの日。

 ゴミ捨て場からミーミーという鳴き声が聞こえた。

 街灯に青く照らされたダンボールを開けると、6匹の子猫たちがすがるようにまあるい目で僕を見上げた。


 捨て猫だな。

 かわいそうに。


 でも、6匹なんて飼えないよ。

 ごめんね。

 悲しい気持ちで猫たちを見る。


 その中の黒いのが、ダンボールの縁に両手をかけて、ダンボールからこぼれおちる。

 ミーミーと鳴きながら僕の足元まで尻尾をピンと立てて歩いてくる。

 ぼくはクロネコを両手の平で包み込むように抱き上げる。


 その間にも、他の猫たちがダンボールから次々と脱出に成功して、僕のスニーカーに体を擦り付ける。


 仕方ないか。

 まあ、みんなかわいいし猫ブームだから里親くらい見つかるか。

 なんとかなるよ。


 アパートは古いだけにペット禁止じゃないし。

 ぼくは猫たちをダンボールに戻し、ダンボールを持ち上げて家に帰った。


 これが、こいつらとの出会い。

 そして、僕の間違いのはじまりだった。

 


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