表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみがわらってくれるなら  作者: カノウラン
3/9

カレの言い分 2

好きです、と言ったときの顔は、そこまで?と感動するほどに真っ赤で、けっこうかわいかったのだ。

でも、あれ以来、とくにかわいいとおもうこともない。

さっぱり会話がつづかないから、なにをすれば喜ぶのかもさっぱりわからない。

わからないから、喜んだ顔も見られなくて。

つまり、かわいい顔をしてくれない、という。

それでよく、三カ月もつき合っていると、マサキはわれながら感心してしまう。


(この子とも、やっぱつづかねーのかな。俺のせいか? くそ。……まあ、どっちのせいでもいいか。たんに、失敗だっただけ)


次につき合うなら、どんな子がいいだろうか。

ベースを弾くのさえ忘れるほどに、いっしょにいたいとおもわせる、美少女系?

それとも、好きに夢を追っていいのヨ、と言ってくれる、年上系?

マサキは、自分の長髪を掻き回した。

なんだか、いっそ、カノジョなんていなくてもいい気もする。

他のメンバーにいるから、自分だけいないのは格好がつかない、なんて理由しかないのだから。

ギタリストのカノジョに、マサキクンって実はホモなのー、とか嫌味を言われたのに腹が立ったんだったような気もする。

どっちみち、やむにやまれぬ事情、なんてものもない。

ベースに熱中していれば、ふしぎなほどに『たまらない』のだ。

自分でも、俺っておかしいのか、とおもうくらいに。

べつに、女の子のカラダに興味がない、とかではない。

見下ろせば、胸のところに、おとことはちがうふくらみがあることは、嫌でも意識する。

寒いのに、膝の上までまる見えのスカートすがたは、女の子だなー、とかおもうのだ、嫌でも。

と、サヤカの視線がこちらを向いた。

目が合ったとたん、おどろいた顔をされる。


(せめてそこで、うれしい顔くらいしろよ。このやろっ)


「あのさあ。あっちに公園、あるじゃん?」

「え、……う、うん」

「今月の一八日、そこの野外ステージでライブやるんだ」

「そっ、そうなの?」

「そ。っても、二曲だけだけどな」

「でも、すごいね?」

「いや。もっとすげーのは、駅の向こうのスタジアムで、ライブやれるバンドだから」

「そうなの──」

「………………」


(ほんっと、興味ねーのな)


マサキとしては、見たいナ、とかぜったい見に行くネ、とかいうことばを期待したのだが。

おもしろいほどに、会話がおもう方へと流れてくれない。


(一八日までには別れちまってる予感でもある、とか……?)


そうかもしれねーな、とマサキは内心で独り言ちた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ