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落ちて、落ちて
落ちていく。落ちていく。
下へ、横へ、上へ?
こっちに、むこうに?
今自分がどんな状態かも分からず、流されるようにただ落ちていった。
いつの間にだろうか、近くに人の気配が感じられる。
それが、本当に人かどうかは置いておくとして、だが。
「たまにいるんですよね、あなたみたいな人。」
すぐ耳元で、人の声が聞こえた。
高くもなく、低くもなく。中性的で男女の区別をつけるには難しい。
「さて、このままでは話もできませんし…。少しの間、生前の姿にでも戻ってもらうとしましょうか。」
そう呟く。
途端、何やら自分の体がいじくりまわされているような感覚。 ・・・・・・・
意識が覚めたまま、麻酔をかけられ手術をされているような感覚に少しばかり気分が悪くなった。
「う、げぇ…」
「これでよし、と。さて、お話合いといきましょうか。」
急激によみがえる感覚と記憶の渦に翻弄されつつも、彼-内田仁輔-はその意識を覚醒させ始めるのであった。




