迷宮に行ってきます
「一度みんなで冒険用の装備を身につけてみましょうか」
エリスの提案にレーヴェとフラウが頷き、リビングから一旦それぞれが自分の部屋に着替えに戻っていく。
クレアは装備を持っていないので、今は皆の様子を見るだけにする。
エリスも自分の部屋に戻り、愛用の黒装束に着替えてきた。
しばらくしてから四人は改めてリビングに集合したのである。
まずはエリス。
身を包むのは黒く染められた盗賊装束である。
武器は飛燕のダガー。
これを左太ももの位置に隠れるように細工した鞘に格納している。
その他の装備は諜報のカチューシャ・犠牲の人形・解毒の指輪・氷結の指輪・閃光のブレスレット・擬態のブローチと豪勢なものである。
また、盗賊装束用の巾着にも別途『飽食』をコピーし、これを腰に縛り付けている。
レーヴェは愛用の鎖帷子に革製の胸鎧と帯鎧に長靴といういでたちである。
武器は飛燕・吸精のシャムシール。
その他装備として諜報のピアス・犠牲の人形・先行のブレスレット。擬態のブローチを身につけている。
また、レーヴェが普段から愛用している飽食のポーチはベルトアーマーにフィットしているので、そのまま使用している。
そして初公開のフラウであるが、その衣装は何と金属半鎧と左手に長方楯という仰々しいものであった。
さらに右手に持つ武器はトゲトゲいっぱいの鉄球が鎖にぶら下がったモーニングスターである。
その他装備はレーヴェと同様にエリスから与えられたものとなっている。
エリス-エージはモーニングスターを見てマジでビビった。
「あんなトゲトゲの鉄球で殴られた日には、一発でお空の星だわ」
一方でフラウの姿に猛烈な違和感を覚える。
「ハーフプレートアーアーにトートバッグとは、そこまで似合わないものか」
レーヴェの指摘にエリスも違和感の理由に気付いた。
なぜならば、フラウは重装備にもかかわらず、左肩におしゃれな黒のトートバックを抱えていたからである。
レーヴェにからかわれたフラウは顔を真赤にしてしまう。
「だって、あの時は本当にお気に入りのバッグを持ってきたのですもの。探検ならばそれ用のバックパックを別に持っていますわ!」
何をムキになっているのよこの子は……。
エリスはため息をつきながらフラウにさっさと部屋に戻ってバックパックを取ってくるように指示をした。
「あ、そのおっかないのは置いていってね」
次の展開を予想したフラウは、嬉しそうな表情でモーニングスターをエリスの前にそっと置くと、がしゃんがしゃんと自室に戻っていったのである。
それじゃあ始めようかな。
まずシャムシールからモーニングスターに飛燕と吸精を複写する。
更にモーニングスターからエリスのダガーに吸精を複写していく。
次にショルダーバッグの中から複製用の指輪をまとめて取り出すと、氷結の指輪を3つ・精神の指輪と解毒の指輪を2つづつ作成していく。
「擬態も人数分必要ね」
さらにブローチをバッグから取り出すと、擬態のブローチも2つ作成していく。
閃光のブレスレットは予備のブレスレットがないので今回は残念ながら無し。
犠牲の人形は既に大量に作ってあるセカンドコピーから5つ取り出しておく。
なぜ大量にあるのかはお察しの通り。
エリスはクレアの『エクスプロージョン』によって犠牲の人形を粉々に砕かれ身の危険を感じた晩に、せっせと夜なべをして手持ちの人形に全て犠牲を複写したのである。
「またお人形を買ってこなくちゃ」
あとは「諜報」であるが、これは特に必要ないだろうと考え後回しとする。
するとフラウがバックパックを持って戻ってきた。
「エリス、これですわ」
それは金属鎧の背にランドセルのようにぴったりとフィットする武骨な背嚢である。
エリスはフラウに一旦トートバッグの中身を全部取り出すように指示すると、トートバッグからバックパックに飽食を複写していく。
するとトートバッグはセカンドコピーだったので、能力が消えてしまう。
しかしながらこの複写によってバックパックがファーストコピーとなる。
続けてバックパックから今度はクレアのリュックサックに複写を行っていく。
最後にクレアのリュックサックからフラウのトートバックにあ改めて複写すれば出来上がり。
クレアは飽食のリュックサックを開けたり閉めたりしながらひたすら感動している。
「すごいでしょ?」
「うん、これはすごいや!」
エリスの自慢に楽しそうにクレアが返事をする。
が、不意にクレアは真顔でつぶやいた。
「飽食のかばんって、人前では使えないよね」
「そこが悩みどころのなの」
エリスの返事に、クレアがそれならと提案を重ねた。
「普段は『冒険者のかばん』のふりをすればいいかな」
そのアイデアにフラウがはっとし、再び顔を真っ赤に染めてしまう。
その変化に目ざとく気づいたエリスはフラウを問い詰めた。
「フラウ、言いたいことがあったらすべて言いなさい」
するとフラウは恥ずかしそうな表情で事情を説明した。
「ごめんなさい。冒険者のかばんのことをすっかり忘れていました」
『冒険者のかばん』とは、基本装備一式と探索などで得られたアイテムなどを収納できる魔道具である。
『飽食のかばん』が容量無制限なのに対して、冒険者のかばんは1メテル立方体ほど容量に限られている。
その便利な能力から冒険者のかばんもそれなりに高価ではある。
が、迷宮探索などで比較的よく入手できるので、それを所有しているのはそれほど珍しくないという。
フラウにしてみれば、飽食のかばんに出会ったショックで、その辺の知識が吹き飛んでしまったのだろう。
逆に言うと、これにすぐさま気付いたクレアの冷静さは貴重だと言える。
クレアの冷静さはこれからも役立ちそうね。
「これで全員に行き渡ったかしら」
エリスは犠牲の人形は一人あたり2つづつ配り、1つは身につけ、1つはそれぞれのかばんにバックアップとしてしまっておくように指示を出した。
次に四人とも氷結の指輪を填めてみる。
エリスを除く三人はエリスによって精神力を満タンにした精神の指輪も同時に装備する。
武器は三人とも飛燕・吸精持ちの魔導武器となっている。
「みんな、かっこいいよ」
それぞれの装備を見比べながらクレアは両手を叩いている。
エリスは黒装束に身を包み、金髪を肩までストレートに落とし、エメラルド色の瞳を冷静にクレアに向けている。
その様子は冷たい暗殺者の雰囲気を醸し出している。
革鎧に身を包み、細身のシャムシールを装備したレーヴェは、その碧いショートの髪と切れ長の瞳が相まり、凛々しいという言葉では足りないほどに凛としている。
ハープフレートアーマーにカイトシールド、右手にモーニングスターという重装備のフラウは、燃えるような紅色のウェーブがかかったロングヘアと紅色の挑戦的な瞳が、あたかも戦場の女神を思わせる。
「いい感じね」
「いい感じだな」
「いい感じですわね」
三人も各々の装備に満足げな様子である。
「こないだ冒険者ギルドから買った探索道具があるから、明日は朝から行きましょうか?」
エリスの提案に、レーヴェとフラウは頷き、クレアは少しだけうらやましそうな表情を見せた。
その後はいつものようにフラウが用意した夕食を済ませ、いつもの水浴びタイム。
「早くお風呂ができるといいね」
「さぞ気持ち良いものなのだろうな」
「女性専用というのが画期的ですわ」
「頑張って図面を仕上げるね」
そんな会話を交わしながら、三人はエリスの身体を拭って行き、エリスも三人の身体を順番に拭っていく。
うふふ。
ということ今晩もブヒヒヒヒ
「なあ、お嬢様」
一通り虐げられたレーヴェがベッドの中でエリスに甘えてきた。
「どうしたの?」
そろそろ次に行こうかしらと身支度をしていたエリスが尋ね返すと、レーヴェはおかしなお願いをしてきた。
「私にも、クレアにしたような優しいことをしてみてくれないか?」
「いいけれど、あなたには物足りないと思うわよ」
「いいんだ。ものは試しだからな」
「わかったわ」
エリスはレーヴェの頭を優しく抱いた。
結論。
レーヴェには全く物足りないものであった。
「ね、物足りなかったでしょ」
「すまん、お嬢様」
「それじゃいつもの台詞」
「私はお嬢様の玩具です」
はい次
次はフラウのベッド
「ねえ、エリス」
フラウも甘えてくる。
「どうしたの?」
豚女を十分にいじめて次に行こうと準備をしているエリスが聞き返すと、フラウもおかしなお願いをしてきた。
「私にも、クレアのようにしていただけませんか?」
またかよ。
こいつらも大概ジェラシーの塊だな。
「いいけれど、あなたには物足りないと思うわよ」
「いいのです。試してみたいのです」
「わかったわ」
エリスはフラウに優しく囁いた。
結論。
フラウにも全く物足りないものであった。
「ね、物足りなかったでしょ」
「ごめんなさい、エリス」
「それじゃいつもの台詞」
「私はエリスに飼われた豚女です」
はい次
「エリス、ちょっといいかな」
クレアがエリスの胸元から、モジモジしながらエリスに声をかけてきた。
少しばかり嫌な予感がするエリス。
なぜなら『二度あることは三度ある』というから。
「どうしたの?」
「ボクにも、レーヴェやフラウみたいにしてもらえないかな」
やっぱり来たよ。
まったくしょーもない……。
「いいけれど、クレア死んじゃうかもしれないよ」
「そうなの?」
「そうなの」
「なら死なないくらいにちょっとだけ」
「仕方がないなあ」
エリスは普段のクレアには見せたことのない下衆な笑顔でクレアに対峙した。
「ひっ」
その悪魔を思わせる表情にクレアは小さく悲鳴を挙げてしまう。
が、エリスはお構いなし。
「ほらクレア。私はエリス様の玩具です。どうか豚女とお呼びください。と言ってご覧なさい」
「わ……、わた……」
既にクレアは泣きそうである。
「ね、怖いでしょ」
「ごめんよエリス」
「いいのよクレア」
はい次
さてと、今日はレーヴェのところだったかな。
ローテーションはちゃんと守らなきゃ。
ということでアラサーヒキニートは今晩も満足な夜を過ごしたのである。
◇
さて翌朝のこと。
相変わらず朝からお肌つやつやでご機嫌なレーヴェとフラウは既に洗濯と朝食の準備を始めている。
エリスも相変わらずリビングのカーペットにぺたりと座りながら何やらやっている。
そこにどうやら色々と馴染んできたクレアも部屋から起き出してダイニングに集まってきた。
「それじゃ今日はアイーダの迷宮行きね。クレアは図面を頼むわ」
「うん。みんなが戻ってくるころには、原案は作成しておくよ。そしたらみんなの希望を教えて欲しい」
「それは楽しみだな」
「楽しみですね」
レーヴェとフラウも今回の工事を費方に楽しみにしている様子である。
最近すっかり食事係に固定されてしまったフラウが朝食を用意している間に、これまた最近すっかり洗濯係となったレーヴェが、前日の水浴び残り水で皆の普段着と大量のタオルを洗って干していく。
「クレア、洗濯物の取り込みだけ頼んだぞ」
「わかった、レーヴェ」
「さあ、朝食にしましょう」
自然とこんな会話が交わされている。
うん。いい感じでみんなが馴染んできた。
エリスも楽しくなる。
朝食を済ませた後、エリスたち三人は装備を身につけて冒険者ギルドへと向かった。
彼女たちが進む道々で、男どもがエリスたちに振り返る。
そんな人の目も気にせず、金色と碧色と紅色の三人が街道を凛と歩んでいく。
美少女三人の存在が街の噂になるのに、それほど時間はかからなかった。
「あ、フラウさん、おかえりなさい」
冒険者ギルドに到着すると、受付嬢がフラウに声をかけてきた。
「今日は里帰りじゃないわ、迷宮探索の受注よ」
「そうですか、どちらですか?」
「まずはアイーダの迷宮よ」
「かしこまりました。パーティーリーダーはフラウさんでよろしいですか?」
受付嬢の質問を確認するかのように、レーヴェとフラウがエリスに振り返った。
わかったわよ……。
「いいえ、エリスよ」
少々不満そうなエリスを無視するかのように、フラウは受付嬢に答えた。
「かしこまりました。帰還の指輪はお使いになりますか?」
「お願いするわ」
「それでは、指輪の保証金1万リルをお願いします」
受付嬢の請求に、金庫番のレーヴェは財布からリルを取り出して保証金の支払いを済ませる。
『帰還の指輪』というのは、迷宮から冒険者ギルドの魔法陣まで戻ることができる魔力を持っている。
この指輪の行き先は冒険者ギルド魔法陣限定なので、持ち逃げする人間はいないのだが、たまに指輪を迷宮に落としてくる阿呆がいるので、回収費用として保証金が必要だということにしている。
ちなみにこの指輪は位置発信の機能も有しているため、ギルド側は簡単に回収できる。
この世界の迷宮は、魔界との通路だと言われており、ある日突然現れる。
これらの迷宮で最も不思議な点は、誰かが最奥まで踏破しても、いつの間にか魔物やら宝物やらが復活しているという点である。
ただし、魔物たちがすぐに復活する訳でもないが。
冒険者ギルドでは近隣迷宮の探索状況や魔物の復活期間をある程度は把握しているので、踏破直後の迷宮に探索依頼を出すことはない。
つまり、冒険者ギルドが探索依頼を出しているということは、迷宮が復活しているということを示している。
「アイーダの迷宮にはゴブリン族が多く潜んでいます。最奥には通常ホブゴブリンが潜んでいますね」
迷宮への道すがらにフラウはエリスとレーヴェに説明してくれる。
「扉と宝箱には必ず罠が仕掛けられています。また、アイーダの迷宮では一度に最大2匹のモンスターが現れるので、よっぽど腕に自信があるのでなければ、通常は二名以上のパーティで挑むのです」
こうしてフラウから迷宮のガイダンスを受けているうちに、一刻ほどで三人は迷宮の入口に到着した。
まずはエリスが探索セットから松明を取り出し、同梱の火口石で松明に点火する。
そうしてから松明ををレーヴェに渡す。
道すがらであらかじめ決めた列順は盗賊のエリスが先行、中央にレーヴェ、しんがりはフラウとした。
迷宮に足を踏み入れると、湿った空気がどんよりと三人を包み始めていく。
エリス-エージは、初めてとは思えない動きで迷宮に仕掛けられた罠を用心深く探索していく。
これが神から与えられた能力なのだ。
通路を調べ、扉の直前に敷かれた石畳も調べ、第一の扉に向かう。
慎重に扉の鍵を調べると、エリスは巧妙に隠された『毒針の罠』を発見した。
次は解錠である。
盗賊の七つ道具を慎重に使用し、内部構造を確認しながら解錠を進めていく。
「かちり」
解除成功。
一仕事を終えたエリスは、額に浮かんだ汗を無意識のうちに左手で拭いながら背後の二人に振り返った。
「次は二人の出番よ」
了解した様子でまずはレーヴェが扉の前中央に松明を置き、それを挟みこむようにレーヴェとフラウは扉の前に並ぶ。
「いくぞ」
小声のレーヴェにフラウは無言で頷いた。
レーヴェは扉にそっと手を掛けると一気に押し開いた。
まずはエリスが素早く扉の隙間から部屋に滑り込み、闇に潜む。
続けてフラウが室内に飛び込み、中央に向かってカイトシールドを構える。
最後にフラウの背後からレーヴェがすっとその身を室内に滑り込ませた。
部屋にはゴブリン二匹が潜んでいた。
「左をお願い!」
フラウの囁きにレーヴェが答える。
「承知」
フラウは中央にカイトシールドを向けると、その右側から、彼女に襲いかかってくるゴブリンの一匹をモーニングスターの一撃で一気に砕いた。
同時にフラウのカイトシールド左側へと移動したレーヴェも、もう一体のゴブリンの首をシャムシールで跳ね飛ばしてしまう。
ここまでほぼ一瞬。
「すごいわね」
部屋の隅で闇にまぎれていたエリスは素直に感嘆する。
こいつら強いと。
「まあ、初級ですからね」
フラウは当然とばかりに微笑んでいる。
「手応えがないな」
レーヴェは余りの手ごたえのなさに松明を拾いながら文句を言っている。
「それではお嬢の出番だ」
レーヴェが松明をかざした先には、木製の宝箱が映し出されている。
これをエリスが慎重に調べていく。
箱の周辺、取っ手、鍵穴……。
「見つけた」
これも鍵穴に毒針の罠が仕掛けられている。
エリスは手慣れた様子で罠を解除し、そっと箱を開けた。
中には数枚の貨幣が散らばっている。
金額にして300リルほど。
正直なところ小銭である。
「300リルかあ」
「アイーダですからね」
エリスが口をとがらすと、その横でフラウが再び微笑んだ。
続けてエリスたちは次々と扉を突破していく。
仕掛けられた罠はエリスにとってはおもちゃも同然であり、襲いかかってくるゴブリン達はレーヴェとフラウにとっては遊び相手にもならない存在であった。
こうして十部屋ほど踏破したところで、どうやら最後の部屋に到達したらしい。
ちなみにここまで全て一撃で進んでいる。
一方稼ぎも3千リルに満たない程度としょぼい。
「これでは放置されるわけだな」
さすがのレーヴェも稼ぎに不満を漏らしている。
が、それもフラウは笑顔で受け流している。
「最後の部屋で元は取れますよ」
「レーヴェ、お願い」
これまでとは異なる少しだけ豪華な扉の解錠を終え、エリスはレーヴェとごく自然に場所を変わった。
レーヴェが扉を開け、エリスが闇に滑り込み、フラウが前に立ちはだかる。
が、この部屋は少々様子が異なった。
三人に襲いかかってきたのは、これまでのゴブリンよりもひときわ大きい金色に輝く大型の亜人である。
そいつは剣と盾を装備し、室内でフラウに向かって構えている。
「やったわ、当たりだわ」
フラウが興奮しながらモーニングスターで殴りかかるも、亜人はそれを盾で受け止めた。
その間にレーヴェはフラウの左に滑り込み、亜人の左側を薙ぎ払うが、金色の分厚い体毛に阻またのか、切っ先を滑らせてしまう。
「こいつはゴールドホブゴブリンよ!中級だから気をつけて!」
フラウはエリスとレーヴェに注意を促すように叫んだ。
同時にエリスの魔道具が炸裂する。
『氷結』
すると、ホブゴブリンの全身が一瞬のうちに氷に覆われ、その動きが一旦止まってしまう。
「もらった!」
「いただきです!」
動けなくなった敵などレーヴェとフラウにとっては物の数ではない。
レーヴェは冷静にゴールドホブゴブリンの急所をシャムシールで掻き切り、フラウは正確にその脳天をモーニングスターで打ち砕いたのである。