あーにゃん
その場で抵抗のブラトップと、それとセットだったショートスパッツを脱ぎ捨て、猛攻のブラとショーツに着替えたキャティ。どう見てもセクシーランジェリー姿。さらにあーにゃんが首元に巻き付くと、その姿は海外のセクシー雑誌を彩るおねいさん。
思わずよだれをすするエリス-エージ。
そうした雰囲気を察したか、キャティも調子をこく。右手を自らのうなじ、左手を腰に当て、しなってみせる。
「エリス、うっふんにゃん」
これにムカついたのが残り3名。ところが更にムカついたのが、当のエリマキ。
「てめえ何見てんねん! ぶっ殺すぞ! このちんちくりんが!」
あーにゃんが小さな頭をエリスに向けて、思いっきり喧嘩を売る。
「あーにゃん、エリスには喧嘩を売っちゃいかんにゃ」
「そりゃどういうこってすか? キャティにゃん?」
「エリスは私の飼い主にゃん」
「つーことは、わいはエリスとやらのペットのキャティにゃんの契約竜っつうことでっか? キャティにゃん」
「そういうことだにゃん」
「つーことは、エリスとやらをぶっ殺したら、わいら解放されるんでっか?」
バシッ!
その台詞と同時にあーにゃんをキャティ自らが引き剥がし、地面に叩きつける。そしてあーにゃんの喉元に勇者を引き裂くものを押し付けるキャティ。キャティはあーにゃんを押さえつけ、頭の近くで冷たく囁く。
「エリスに手を出そうとしたら、私が先にあーにゃんをぶっ殺すにゃん」
そこであーにゃんは気づいた。自分がキャティ以外の3人と3匹の殺気に囲まれていることに。
こうして、無事あーにゃんの調教は終了した。
「エリス社長、儲かってまっか? まあ、仲良くやりましょ! ほれ、これがキャティにゃんのセクシーポーズでんがな」
一転して調子をこく氷雪竜のあーにゃん。ため息をつく5人と3匹。
「それじゃ、マルスフィールド公に見つかる前にワーランに帰りましょ」
帰りは暴風竜すーちゃんの高速飛翔。エリス、レーヴェ、キャティは竜戦乙女なので問題なし。今回からはらーちんがフラウとクレアを前回よりも強い結界で覆ってくれたので、2人も気絶することはなかった。ちなみに氷雪竜のあーにゃんも飛べないので今回はプリティサイズでキャティの首に巻かれている。
こうして、その日の夕方には、彼女たちはワーランへと帰還した。
「あーにゃんはお湯は平気かにゃ?」
「お湯?」
「お風呂だにゃん」
「わい、こう見えても温泉グルメでんがな」
簡単な夕食を終え、各々が風呂に向かう中、キャティも全裸にエリマキというマニアックな姿でお風呂に向かう。ぴーたん、らーちん、すーちゃんが定位置でそれぞれクレア、エリス、レーヴェにゴシゴシやられているのを横目に、キャティも桶を用意した。するとあーにゃんがキャティの首から剥がれ落ち、湯船から排水口に流れる滝状の場所に向かう。
「キャティにゃん、ここ使ってもええか?」
「エリス、ここはいいかにゃ?」
声を掛けられたエリスが、あーにゃんの姿を見て吹き出した。
その姿は、まさしく滝に打たれる竜。のミニサイズ。
「そこなら湯船も汚れないし、問題ないわ。あーにゃん、よくその場所を見つけたわね」
「わいは温泉グルメやからの」
「ちょっと俺にもやらさんかい」
「ぼくがまず試してみるべきかな」
「しゃー」
あーにゃんの姿を見て、自分たちもやりたくなった魔獣共。この日4匹はその場所を取り合いの末にフラウに平等に折檻された後、翌日以降は彼らが順番でかけ湯を楽しむところとなった。
そして就寝。
ぴーたん、らーちん、すーちゃん、あーにゃんと桶がリビングに並ぶ。
「さすがに手狭になったわね」 とのエリスの言葉にクレアが続けた。
「隣の家との接続工事が明日から入るからね。そうしたらリビングを向こうに持っていけるから、この部屋はぴーたんたちの専用にできるよ」
ホテルとして使用していた隣の建物が手狭となったので、エリスたちはこれを買い戻し、そちらにリビングと客間を用意することにした。男性用の簡単な浴室も用意する。これは、さすがにフェル爺さまなどを追い返すのに心が傷んだのと、会議スペースとして広めの部屋が欲しくなったから。
「あーにゃんもこれでいいかにゃ」
「キャティにゃん、充分でっせ」
あーにゃんは桶のふちを乗り越えると、そのままころんと布の上に転がり、丸まって見せた。
「それじゃ、お休み」
今日もフラウがキッチンとリビングの明かりを消して回る。
そういうわけでブヒヒヒヒ。
「キャティ、竜戦乙女になった気持ちはどうかしら」
「ありがとうにゃ、エリス。あーにゃんが愛らしいにゃ」
「ふーん。で、あのバカ竜はちゃんと調教したの?」
「大丈夫にゃ、ちゃんと調教したにゃ」
「それなら、あのバカ竜を首に巻いてくることはできる?」
「問題ないにゃ」
いそいそと真っ暗なリビングに向かうキャティ。そして小さな声で囁く。
「あーにゃん、いるかにゃ?」
「ここでっせ、キャティにゃん」
あーにゃんを見つけたキャティは、いそいそとあーにゃんを首に巻く。
「あーにゃん、黙っているにゃよ」
「任せとかんかい、キャティにゃん」
再びエリスが待つベッドに戻るキャティ。
エリスがキャティの「猛攻」のブラをゆっくりとむしりとる。
エリスがキャティの「猛攻」のショーツを腰から引き抜いていく。
にゃあん……。
極道エリス-エージは、あーにゃんを首に巻いたままのキャティをなぶり、あーにゃんにキャティの喘ぎ声を聞かせまくり、最後にキャティを天国に送った。そして気を失うキャティ。
あーにゃんは改めて理解した。この金髪幼女こそが、ここの黒幕だと。
「あーにゃん、桶に戻ってもいいわよ」
「うっす、エリス社長」
エリスに指示された氷雪竜プリティスタイルあーにゃんは、指示された通り、無言で自分の桶に戻る。
「なあらーちん、てめえの竜戦乙女はなにもんだ?」
「ふふふふふ」
「あ、エリス、今度はレーヴェちゃんのところに行ったよ」
本来ならば睡眠の必要もない3匹のドラゴン。今日は暗闇の中、情報交換に勤しむ。
こうしていつものように彼女たちの夜はふけていった。
爽やかな朝が来た。
「ちわーっす、クレアさん、拡張工事に来ました」 朝食中のエリスたちのところにやってきたのは工房ギルドの若い衆たち。
今日からエリス宅の拡張工事が始まる。
施工管理をクレアが行うため、お出かけはしばらくおあずけ。
「エリス、今日はパインバンブー一座の公演があるにゃ!」
「その前にその下着姿を何とかするわよキャティ!」
「その上からいつものブラトップを着るのではダメなのか?」
「そんなことしたら乳首が擦れて痛いにゃ! フラウならわかってくれるにゃ!」
「そうね、ブラを重ねても重くなるだけでいいことはありませんわね」
「わかったかレーヴェ! 乳なしは今後乳について偉そうなことを言うのをやめるにゃ!」
「何だと! これでも少しは大きくなったんだぞ!」
「やめてレーヴェもキャティも! ボクが惨めになっちゃう!」
エリスとキャティは、それぞれらーちんとあーにゃんを抱え、家を飛び出す。まずはブティック、そしてライブハウス。
「クレア、私もちょっと出かけてくる」 と、レーヴェもすーちゃんと出かけていく。
家に残されたフラウとクレアとぴーたん。
「じゃ、私は交わる町の巡回に行ってきますね」
この日、エリスとキャティはブティックでキャティ用の白いロングワンピースを購入。その場で両サイドにスリットを入れてもらい、蹴りの邪魔にならないようにする。
ここに真っ白のあーにゃんエリマキでシックな猫娘が完成。
2人と2匹はその足でライブハウスに向かう。
レーヴェは皆に内緒で、すーちゃんと実家に里帰り。
何の前触れもなく突然玄関に現れたレーヴェを、何の疑いもなく家に招き入れるルクスかあさま。
そこからはいつものローレンベルク漫才が始まった。
フラウはクロスタウンの巡回。
そして宝石箱のティールームで、フラウはギースに捕まることとなる。




