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勇気

 翌日の学校の帰りの会。ピンクのズボンがよく似合う、担任の小川智代先生が元気良く言った。

「みんなー。今日は和寿くんと拓馬くんから話があるそうでーす。」

 いじめられている二人が前に立つので、クラスのみんながクスクス笑っている。雄介だけは二人を睨みつけている。

 二人は勇気を出して、それこそ命がけで、ズボンを4㎝も下げて、ズボン胸高法のできた理由を話し、自分らしくあることの大切さを訴えた。

 初めは聞く気のなかった生徒たちが次第に聞き入るようになる。もはや笑っている者はいない。二人が命がけであることはすぐに全員が理解した。

「自分らしさ…。」

 雄介はそう呟き、人一倍上げた黒いズボンを見つめる。

二人の話が終わると、教室は沈黙に包まれた。今まで考えもしなかった上げパンの理由に、戦争が関わっていたとは誰も想像していなかったし、上げパンの無意味さに気づいてしまいそうな自分がいることに全員が動揺していたのだ。

 クラスの全員が二人を支持するまでに、それほど時間はかからなかった。


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