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静かなる始まり

 翌日の放課後、和寿はいつも一緒に帰る親友の拓馬にさりげなく思いを話した。拓馬は中学に入って最初にできた友達だった。

 「なぁ、拓馬。俺たちって、小さい頃から上げパンだよな?なんでだろ?」

 拓馬は不思議そうな顔をする。

 「何言ってんだよ。ズボンに上げるも下げるもないだろ?胸下4㎝までって『ズボン胸高法』で決まってるし、それがあ・た・り・ま・え。」

もはやこの時代の国民には、ズボンを上げている意識すら失われていた。

 「そっかぁ…。でもさ、よく考えてみたら、胸の高さにする必要性ってそんなにないと思うんだけど…。人それぞれ、好きな高さでいいんじゃないかな?」

 拓馬がふっと和寿の目を見る。

「確かに。言われてみれば。今まで気にもしてなかったけど、確かに変かもな…。」

 和寿の言葉に、拓馬の心も少し揺らぎ始めた。

 その日から毎日、二人はズボンの高さについて話した。もちろん誰かに聞かれたら、ズボン胸高法違反で牢獄行きだ。

 「やっぱりこの世界はおかしい!変えるべきだ!」

 次の日から二人は、ズボンの高さを胸下3.5㎝まで下げて過ごすことにした。

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