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近衛の最期
近衛はその場に崩れ落ち、周りからは悲鳴が聞こえた。しかし、近衛は決してズボンのゴムを離さなかった。ズボンを下げることを、決してやめなかった。やがて、近衛が力尽きたとき、血にまみれたズボンは腰の下まで下がっていた…。
「うわああああああああああああああああああああああああああ!」
和寿は叫ぶと同時にズボンのゴムに手をかけた。そして、瞬く間にズボンを下げた。近衛の下げたのと同じ位置まで。それを見た拓馬も、同じようにズボンを下げた。
目の前の兵士たちが、ズボン胸高法違反者である自分たちに銃口を向けたのが分かった。撃たれるのは分かっていた。だが、二人には近衛が命をかけて残した思いを無駄にはできなかった。
そのとき、突然兵士たちが銃口を向けるのをやめた。なにか遠くを見て話している。慌てているようにも見えた。和寿たちが振り返ったとき、そこには信じられない光景が広がっていた。




