恋物語に。
掲載日:2010/07/03
ベッドの上に座って、手に持つ本のページをめくる。無愛想な男の子と一途な女の子の、恋の話。楽しい日々を過ごしていたのに、女の子は病気にかかり、余命三ヶ月と宣告される。
ラストシーン。
「ずっと好きだから」
と呟いて、女の子は息をひきとる。手を握ったまま、男の子は涙をこぼす。二人の悲しい別れ……。
切なくて切なくて、知らず知らずのうちに私も泣いてた。ポロポロポロポロ、涙は止まらない。
死にたくない。大好きな人を残して、死にたくない。
大好きな人に、死なれたくもない……。
良治……。
「美紗子ー!!」
良治の声が聞こえる。
机の横の窓に手をかけ、思い切り開けた。辺りを見回すと、自転車にまたがる良治の姿が見えた。
「良治!」
嬉しくなって、玄関をでて良治のところまで駆けた。抱きしめる。
「良治、どうしたの?」
「海に行こう、海!」
自転車の荷台に飛び乗った。風を切っていく。
「良治」
「ん?」
「大好き。ずっと一緒にいようね」
「当たり前じゃん」




