↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/25

第10話 倒れる

旧準備室。

机の上には、昨日動いた“足ユニット”と、

新しく組み上がった“胴体フレーム”が置かれている。


蒼

「よし! 今日は“立たせる”日だね!」


理人

「いや、立つとは言ってない。

 “立つかもしれない日”だよ」


真

「……立つ。たぶん」


蒼

「毒島くんの“たぶん”は希望」


理人

「いや、希望じゃなくてフラグだろ」


蒼はフレームを持ち上げ、

足ユニットの上にそっと乗せる。


蒼

「おお……なんか“ロボットの形”になってきた!」


理人

「いや、まだ棒と箱の合体だよ」


真

「……でも、好き」


蒼

「毒島くんの“好き”は世界を救う」


理人

「いや救わないだろ」


蒼はふと、今日の授業を思い出す。


蒼

「そういえば今日の体育、地獄じゃなかった?

 持久走で先生が“ペース配分が大事だ”って言ってたけど、

 俺、最初から全力で死んだ」


理人

「久保田は毎回そうだろ。

 最初だけ速くて、後半ゾンビになる」


真

「……ゾンビ、似合う」


蒼

「似合わないよ!」


理人

「でも先生、最後に“人生も同じだ”って言ってたな」


蒼

「人生で持久走したくないんだけど」


真

「……ロボットは持久走しない」


蒼

「毒島くん、それは正しい」


理人は配線を確認しながら言う。


理人

「じゃあ、いよいよ“立たせる”ぞ。

 重心は……ギリいけるはず」


蒼

「ギリって言うな!」


真

「……ギリ、好き」


理人

「毒島の“好き”は万能すぎる」


蒼はロボットの胴体を支えながら言う。


蒼

「じゃあ、手を離すよ?」


理人

「待て! まずは角度を――」


蒼

「3、2、1……」


理人

「聞けよ!」


蒼は手を離した。


ロボットは――


一瞬だけ、

ほんの一瞬だけ、

まっすぐ立った。


蒼

「立った……!」


理人

「立った……!」


真

「……立った」


次の瞬間――


ガシャァァァァン!!


蒼

「倒れたぁぁぁぁ!!」


理人

「うわあああああ!!」


真

「……倒れたね」


蒼

「毒島くん、実況しないで!」


理人は倒れたロボットを起こしながら言う。


理人

「いや、でも……

 “立った”んだよ。

 ほんの一瞬だけど」


蒼

「うん……立ったね。

 あれ、めっちゃ感動した」


真

「……赤ちゃんみたいだった」


蒼

「そう! ロボットの赤ちゃん!」


理人

「いや、赤ちゃんって言うなよ……

 でもまあ、気持ちはわかる」


蒼は倒れたロボットの肩を撫でる。


蒼

「倒れたけど……

 なんか“生きてる”って感じしたよね」


理人

「まあ、動くものは倒れるしな。

 倒れたら直せばいい」


真

「……直す」


蒼

「毒島くんの“直す”は頼もしすぎる」


理人はノートを開き、

倒れた瞬間の角度をメモする。


理人

「じゃあ、次は“倒れないロボット”を作る。

 重心をもっと下げて、足幅を広げて――」


蒼

「理人、なんか今日やる気すごいね」


理人

「そりゃそうだろ。

 “立つ”ってわかったんだから。

 あとは“倒れない”を目指すだけだ」


真

「……倒れないロボット、作りたい」


蒼

「作ろう!」


理人

「作るか……!」


三人の声が、

倒れたロボットの横で響いた。


その音は、

“次の一歩”の音だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。