↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/25

第1話 却下

放課後の昇降口。掲示板に貼られた紙に「ロボット部 創立申請 却下」の文字がでかでかと印刷されている。


その下には小さく、

「※サークルとしての活動は許可。旧準備室を使用可」

と書かれていた。


久保田蒼(くぼた・あおい)は、その紙を見上げて小さく息を吐く。


蒼

「……まあ、部は無理だよね。“人が乗るロボット作りたいです”は攻めすぎたか」


周囲の生徒がクスクス笑う。


生徒A

「また久保田がアニメの影響受けて暴走したらしいぞ」


生徒B

「乗るロボットって。ガチで言ってんのかな」


蒼は紙を剥がしながら、淡々とつぶやく。


蒼

「サークルならOKって書いてあるだけマシか。活動はできるし」

(でも、胸の奥が少しだけチクッとした)


そこへ、理科準備室から出てきた男子が近づいてくる。

三枝理人(さえぐさ・りひと)。教科書とノートを抱えている。


理人

「……君、本気で作るつもりだったの?」


蒼は振り返る。


蒼

「本気っていうか、作りたいってだけ。できるかどうかは、まあ……やってみないとわかんないし」


理人は紙を覗き込み、眉をひそめる。


理人

「“人が乗るロボット”って、最低でも身長180センチは必要だよね。重心どうすんの。モーメントで即アウトだよ」


蒼

「倒れないようにすればいいじゃん」


理人

「いや、そんな軽く言うなよ。重心ってのは――」


蒼

「知ってるよ。物理でやった。てか、倒れたら倒れたで学びじゃない?」


理人は一瞬固まり、その言葉に妙に刺さる。


理人

「……君、変なこと言うね。でも嫌いじゃない」


そこへ、無言で近づいてくる影。

制服の袖に接着剤の跡、ポケットからデザインナイフのキャップが少し覗いている。


毒島真(ぶすじま・まこと)。


真は蒼のスケッチブックを覗き込む。


真

「……これ、作りたい」


蒼と理人が同時に振り向く。


理人

「いやいや、これ180センチあるじゃん。倒れたら死人出るぞ」


真

「じゃあ倒れないように作ればいい」


蒼

「その理屈、好き」


理人

「いや、理屈じゃなくて勢いだろそれ」


真はスケッチを指差す。


真

「フレーム、アルミで組める。関節は……まあ、やってみればわかる」


理人

「“やってみればわかる”って言葉、怖いんだけど」


蒼

「でも、なんかいけそうじゃない?」


理人

「根拠は?」


蒼

「ノリ」


真

「勢い」


理人はため息をつきながらも、どこか楽しそうに笑う。


理人

「……で、サークルなら活動できるんだよね。旧準備室、使っていいって書いてあるし」


蒼

「マジで? じゃあロボ研サークルだね」


真

「行こ。見たい」


三人は昇降口を出て、旧準備室へ向かう。

扉を開けると、古い木材の匂いと、夕日のオレンジが差し込んだ。

棚は傾き、机はガタつき、窓は半分だけ開いている。


蒼

「うわ、めっちゃ廃墟。でも……なんかワクワクする」


理人

「まあ、環境は最悪だけど……ここなら誰にも邪魔されない」


真

「作業台、直せば使える」


蒼はスケッチを広げる。


蒼

「じゃあ、まずは180センチのロボット作ろう」


理人

「いやデカすぎだろ。でも……理論上はギリいけるかも」


真

「フレームなら組める」


蒼

「よし、合体だね。デザインと、理論と、手。三つそろえば、なんとかなるっしょ」


三人は顔を見合わせ、同時に笑う。


三人

「ロボ研、発進!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。