表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/15

第1話 却下

放課後の昇降口。掲示板に貼られた紙に「ロボット部 創立申請 却下」の文字がでかでかと印刷されている。


その下には小さく、

「※サークルとしての活動は許可。旧準備室を使用可」

と書かれていた。


久保田蒼くぼた・あおいは、その紙を見上げて小さく息を吐く。


「……まあ、部は無理だよね。“人が乗るロボット作りたいです”は攻めすぎたか」


周囲の生徒がクスクス笑う。


生徒A

「また久保田がアニメの影響受けて暴走したらしいぞ」


生徒B

「乗るロボットって。ガチで言ってんのかな」


蒼は紙を剥がしながら、淡々とつぶやく。


「サークルならOKって書いてあるだけマシか。活動はできるし」

(でも、胸の奥が少しだけチクッとした)


そこへ、理科準備室から出てきた男子が近づいてくる。

三枝理人さえぐさ・りひと。教科書とノートを抱えている。


理人

「……君、本気で作るつもりだったの?」


蒼は振り返る。


「本気っていうか、作りたいってだけ。できるかどうかは、まあ……やってみないとわかんないし」


理人は紙を覗き込み、眉をひそめる。


理人

「“人が乗るロボット”って、最低でも身長180センチは必要だよね。重心どうすんの。モーメントで即アウトだよ」


「倒れないようにすればいいじゃん」


理人

「いや、そんな軽く言うなよ。重心ってのは――」


「知ってるよ。物理でやった。てか、倒れたら倒れたで学びじゃない?」


理人は一瞬固まり、その言葉に妙に刺さる。


理人

「……君、変なこと言うね。でも嫌いじゃない」


そこへ、無言で近づいてくる影。

制服の袖に接着剤の跡、ポケットからデザインナイフのキャップが少し覗いている。


毒島真ぶすじま・まこと


真は蒼のスケッチブックを覗き込む。


「……これ、作りたい」


蒼と理人が同時に振り向く。


理人

「いやいや、これ180センチあるじゃん。倒れたら死人出るぞ」


「じゃあ倒れないように作ればいい」


「その理屈、好き」


理人

「いや、理屈じゃなくて勢いだろそれ」


真はスケッチを指差す。


「フレーム、アルミで組める。関節は……まあ、やってみればわかる」


理人

「“やってみればわかる”って言葉、怖いんだけど」


「でも、なんかいけそうじゃない?」


理人

「根拠は?」


「ノリ」


「勢い」


理人はため息をつきながらも、どこか楽しそうに笑う。


理人

「……で、サークルなら活動できるんだよね。旧準備室、使っていいって書いてあるし」


「マジで? じゃあロボ研サークルだね」


「行こ。見たい」


三人は昇降口を出て、旧準備室へ向かう。

扉を開けると、古い木材の匂いと、夕日のオレンジが差し込んだ。

棚は傾き、机はガタつき、窓は半分だけ開いている。


「うわ、めっちゃ廃墟。でも……なんかワクワクする」


理人

「まあ、環境は最悪だけど……ここなら誰にも邪魔されない」


「作業台、直せば使える」


蒼はスケッチを広げる。


「じゃあ、まずは180センチのロボット作ろう」


理人

「いやデカすぎだろ。でも……理論上はギリいけるかも」


「フレームなら組める」


「よし、合体だね。デザインと、理論と、手。三つそろえば、なんとかなるっしょ」


三人は顔を見合わせ、同時に笑う。


三人

「ロボ研、発進!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ