『逆名』
『全く、人間の浪費癖には反吐が出る。
少しは大事に飲もうって思わないわけ?。』
現在、俺は、侵略者と騙る新しいお友達と共に、コーラとポカリの同時飲みという蛮行に励んでいる。
「良いんだよ。買ったからにはもう俺の物だからな。それより一体、俺に何の用なんだ?
侵略したいなら偉い奴の頭に入れば良かったんじゃないか? 」
ちまちま殺るのは雑魚の領分だ。
あれ程の力があるのなら誰だって支配できる。
『…文字通りの雑魚、と言っても信じないか。
達成過程は支配ではなく殺戮。そう言ったらどうする?。』
世界の命運は、今、俺の手に握られている。
ここで回答をミスれば大変なことに……
なんて気分にもなれなくて。
「嘘だな。だったら尚更、上の人間に取り憑けば良い。ボタン一つでボンだ」
『逆名』と名乗った以上、こいつの性能は海に連なる物の筈。
実際、先刻のスプラッタがそれを証明している。
あの化け物も気になるが、まずは近場の化け物だ。
異世界からの侵略者『逆名』はそう言った。
異世界にも海はある……のか?
何を持って異世界と指すか分からないが。
まぁ、あると仮定して、そこから飛来して来た生命体として考える。
『逆名』はとある総数によって選ばれた裁定者だと言った。
だったら、アウェイにアウェイを重ねるか? 普通。
陸地の条理が、なんたらかんたらと御託を並べていたが、
あのSFチックなご自慢のペットも消えているし、
俺の中に寄生虫のように居座っているのも気になる。
うるさいだけで、乗っ取る素振りを一切見せないのも妙だ。
これでは、『陸地では思うように動けません』と言っているような物だ。
選出ミスにも程があるだろ。
『逆名』の俺達に向けている感情が、息苦しい物なのは間違いない。
だが、何より引っ掛かるのは裁定者と侵略者、相反する役職を同時に語ったこと。
この際、何故、俺なのかはどうでもいい。それより知りたい事が多すぎる。
読んでんだろ。だんまり決め込みやがって。
そこんとこせ『』
『考えすぎだよ。馬鹿のくせに。…疑問に思うのは当然だと思うけど、…もしかして忘れてる?。一番気にしなきゃ行けないこと。』
まさか……
俺の、記憶の部分的な喪失もこいつが起因している?
『ご名答、ちなみに喪失じゃなく消失ね。逆らったら全部消し飛ばして、殺すから。』
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『良かった。仲良くやって行けそうで。それでは改めて、こんばんは、一条拓人君。ボクは、『逆名』。異世界からのインベーダー。目的は、人間の過程を否定する事。早速だが、素敵な面倒事だ。君達以上に不愉快な物が目に入った。当面の目標は、あの化け物を造った奴を、見つけ出してぶち殺す。』
あの、化け物を造った? ………
『どれだけ呑気に生きているんだ、君達は。あんな無様を晒すまで、身近な危険に気づかないなんて。』
まさか、……
『勿体ぶるのはやめるべきだよ。分かってるくせに。
人間だよ。に、ん、げ、ん。大体、何かの肉と血まみれの傘。君はどう認識してたんだい?。』
傘、……近くの自販機に、適当に立て掛けている赤いそれに視線が入った。
あまりにイかれたことが起こりすぎて失念していた。
見ればその赤いビニール傘は、たっぷり、な『人間』の血を含んで自販機の赤よりも濃く、目に刺激を伝えてくる。
『元の持ち主が、セットで野晒しになっていた肉片かは分からない。少なくとも肉片への加工過程は、ろくでもないのは間違いないね。』
……じゃあ、俺が吹き飛ばされた場所は……
『殺人現場かもね。ほんの少し自販機に辿り着くのが早ければ、解体ショーを見物出来たのに。』
「冗談言ってる場合じゃないだろ! 今すぐ警察に通報しないと!」
俺は、スクールバッ『』
『無駄だよ。むーだ。通報しようがまともに取り合ってくれないよ。大体、なんて説明するのさ?。人気の無い路地裏で人間の挽肉を見つけました〜って?。』
………「『人気の無い路地裏?』」
………なんで普通に、ジュースを補充してるんだ。
こんな所の……
そもそも化け物と肉片に関係はあるのか?
……おかしい。
家に帰ったら、家具の配置が変わっているような得体の知れない物を感じる。
『一体、家に帰ろう。水分の補充は済んだ。ここに止まるのは危険だね。』
「おい! この人のこ『カット』