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第4話 結構古典的だと思う

リール侯爵令嬢ってなんかストーカーみたいで怖い…。

 翌日から、私達の学園での生活が変わった。

 

 具体的には……

・教科書を隠される→二人のうち一人はセーフだから平気☆

・黒板に堂々と『双子で近親相姦疑惑!』と書かれる→サミュエルは「俺はシスコンだが手は出さない」と謎の反論をしていた。


 など、うちは侯爵家だし、こういうのって労力使うなぁと思って他人事のように傍観していた。


「全く、こんな稚拙な嫌がらせ。誰でしょうね?」とプンプン怒ってリール侯爵令嬢が私達の元へ来た。


「気にすることなんてないわよ、こんなの」と、笑顔で令嬢は私達に言った。


 うん、二人とも全く気にしてないし。地味に侯爵家の影に見張らせてたんだよね、リール侯爵令嬢。

そしたら、「なんですの?お父様の仕事よりも有能なお父様でらっしゃるの?ハイスカイ侯爵兄妹は!」と言いながら、嫌がらせの作業をしていたとか報告を聞いた。本当はもっと口汚い言葉で私達二人を罵っていたらしいけど、『お耳汚ししてしまう!』と報告されなかった。気にしないんだけどなっ。

 これは……お父様に報告するような案件だろうか?


サミュエル曰く「俺が殿下に報告しようか?」と、恐ろしいことを言うので、先手でお父様に報告することにした。



 お父様の書斎にて、相変わらず本がいっぱい。全部読んだのよね?物凄い量……。

 私はかくかくじかじかとお父様に報告した。


「なんと!そんな稚拙な事をする人間がまだ存在するのか?それも現宰相の娘とな?時代錯誤だなぁ。宰相の力量も痴れたものよ!ガハハッ!」


「えーっと彼女をギャフンと言わせるにはどうすれば?」


「うーん、私が次期宰相になるのは確定だからなぁ……」


 そこで現れたサミュエル!

「サミュールが殿下の婚約者になればいいと思います!幸い(?)殿下は俺の顔に嫌悪感を持たなかったし。ねっ?」


 いやいや、「ねっ?」っと言われても。


「お父様、まず殿下の名前は?」


「ハンスホールド=ホムがフルネームのはず。いやぁ、仕事に懸命で名前がきちんと憶えてるか不安……」


「父上……ヴィンスホールドではありませんでした?」


「そうだったかもなぁ。ガハハッ!」

 ……全く笑えない……。


「……俺が明日学園で直接訊ねますね。はぁ、命懸け」


「頑張れ、息子よ!」


「ところで、私が殿下の婚約者になる事がなんでリール侯爵令嬢をギャフンと言わせることが出来るの?」

 素朴な疑問だ。


「サミュールは相変わらず鈍いなぁ。リール侯爵令嬢は殿下に片思いだよ。尚且つ、王宮での力関係でもハイスカイ侯爵家が力を持つことになるだろう?皇太子妃に宰相がハイスカイ侯爵家から輩出されるんだもんなぁ」


 ん?遠くを見るサミュエルはどうするのよ!


「え?俺?好きな子でも出来たら適当に結婚して、侯爵家を継ぐけど?」


「うむ。その心意気やよし!まぁ、母さんみたいな人に巡り合えるかはわからないけどなぁ」


 お父様は未だにお母様LOVE♡私が似てきているようで、サミュエルの意見はちょっと引っかかる部分もあったりする。でも、いきなり馬の骨を連れてこられるよりは、この国の殿下の方が心安らかに過ごせる。と思っていたりもする。




 後日、サミュエルは思い切って殿下に名前を聞いた。

「大変恐れ入りますが……」


「なんだよ?あらたまって、変な奴だなぁ。あ、変な奴か」


「変な奴というのは訂正させていただきますが、この国に来てまだ日が浅いというのは言い訳かもですが……」


「だから、なんだよ!」


「殿下のお名前は何ですか?」


「はぁ?そんなことか?ヴィンスホールド=ホムだよ。父上、おっと陛下はなんだっけな?俺も覚えてないや今度陛下に聞いてみるよ。自分の父親の名前を知らないってのは問題だろう?」


「というより、国のトップの名前を知らない国民……て感じですかねぇ。ですが!不肖、俺も知らないので是非とも俺にも教えてください!」


このように殿下のお名前を正式に教えてもらい、かつ、続いて陛下のお名前も教えてもらうことにした。


「ヴィンスホールドだからヴィンスって呼んで♡」

と、殿下に言われたので今後俺は殿下の事をヴィンスと呼ぶことにした。


「では、俺の事はサミュエルだから、エルでどうでしょう?名前の上の方で愛称を決めると妹と被るんですよねー」


「オッケー!」と、でん…ヴィンスは軽く返事をくれた。俺とヴィンスはかなり親しくなったと思う。


「妹はサミュールって名前なんですけど、どうします?」


「……ミューで良くない?猫みたいだけど。顔とかお前に似てるんだよな?」


「使用人曰く、『髪型以外は同じ』です。俺の方がちょっと背が高いし。あいつはあいつで胸あるって主張するんだよなぁ」


「女の子って感じでいいんじゃないか?おい、ミューも紹介しろよ」


俺は内心『喜んで!!』と思った。

「妹でよろしければ、いくらでも!」


「いや…いくらでもっておかしいだろう?一人しかいないだろう?『いくらでも』ってなんか増殖するみたいな感じがする」


「あ、なるほど。言葉の綾というやつですよ、ヤダなぁ」



サミュエルってサミュールを安売りしてると思うのは私だけですか?

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