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生きた子猫

作者: 爛夢瀧

 お母さん猫は2匹の子猫を生みました。


 でも、お母さん猫は、何かの病気にかかっていて、とても痩せていました。


 2匹の子猫に、十分な栄養を与えることができず、とうとう小さかったほうの子猫は死んでしまいました。


 お母さん猫は、死んだ子猫を食べました。


 お母さん猫は、もう一方の子猫に最後の乳を与えました。


 そして、お母さん猫は、決して近づくことがなかった人間に子猫を連れて近づきました。


 その人間は、地域の猫にエサを与える人たちのうちの一人でした。


 その人間は人間に慣れていない猫がじっと遠くからエサをみつめていると、そっとその場を離れる、そんな人間でした。


 お母さん猫は、エサではなく、その人間に近づき、じっと見上げます。


 その人間は動きません。


 お母さん猫は、子猫がエサに気づき、近づいたのをみとめると、そっとその場を離れました。


 ゆっくりと歩き、木陰に入ったところで一度だけ、振り返りました。


 子猫は、まだうまく食べられないエサを夢中になって食べています。


 人間は、エサから少し離れて、お母さん猫を見ていました。


 お母さん猫は去っていきました。


 そして、翌日、ひっそりともう一方の子猫のもとへ旅立ちました。


 お母さん猫は、命を繋いだのです。


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