23話 魔法使いギルドの秘密
今日は休暇。銃ギルドでお話をしながら地図を広げ、お店や施設などの場所を確認している。とにかく広い街だ、少しずつ覚えていくしかない。
「あれ? 魔法使いギルドは他にもなかったかな」
他の地区の地図を確認する。あった、やはり2つあるようだ。クラス系ギルドは基本1つだと聞いていた。ただ、これだけ広い街だ。複数あっても不思議ではない。冒険者ギルドや専門ギルドは複数あるしね。1人納得しながら一応このことをメジュに聞いてみた。
「ああ、それはですね」
言葉をつまらせ苦笑いする。
「……どうなっているかな」
何かを思い出したかのように外へ出ていくルフラ。あれ、まずいこと聞いちゃったかな? 気まずいからこれ以上その話をするのはやめておいた。夕刻、そろそろ仲間と晩ごはんに行こうと思っていると、ルフラが帰ってきて俺に仕事の依頼をする。
「今度の休暇に仕事を頼みたいのだが。急ぎではないからいつでもいい」
わかったと返事をし、内容を聞いてから晩御飯へ。それから5日間狩りをする。お休みにしてルフラに頼まれた仕事をすることに。
今回は魔法使いギルドの長からの依頼。もしや2人が言葉を詰まらせていた、例の話が発端かな。内容は相談、困ったことがあるようだ。相談ではあるが危険な事が起きる可能性があるとルフラ言う。対応力を鍛えるのに丁度良いと、全ては話してくれなかった。これは油断ならない依頼だな。
距離があるため馬車に乗り、魔法使いギルド付近まで移動。馬車から降り、街の中を歩いていると気がつくことが。街の見回りを槍使い達がしている。彼らは魔法使いギルドと同じこの地区にギルドがある。そして見回りをしているのは槍使いだけ。
銃使いギルドの地区は剣士ギルドの剣士達が見回りをしている。そして銃使いは見回りはしていない。銃使いがあまりにも少ないから地区の守りは剣士に任せている。つまり、魔法使いギルドは人数が少ない可能性がある。まあ、交代でやっていたりするかもだからあくまでも予想だが。
考察しながら歩いていると魔法使いギルド前に到着。大きなギルドだ。しかし壁には苔や蔓がとりついている。歴史がありそうな建物ではあるが、単純に清掃が行き届いていないように見える。人が少ない説が濃厚になってきたな。それともお金がないとか。
門の前には杖を持った魔法使い風の門番が2人立っていた。
「キラン様ですね。ラヒャウ様がお待ちです。こちらへ」
門を開ける門番達。すると門のすぐ近くを奇妙な物体が横切っている様子が目にうつる。あれは何だ。門の右から左に突き抜けている細長い物。しかしどこかで見た覚えがある。謎の物体を不思議そうに眺めていると、門番が中に入り、物体をくぐって手を口元に当て大きな声を出した。
「すみません! 通りますんで!」
なにかの作業中かな? しかしあんな大声で言わなくても普通聞こえるだろ。耳が遠いお年寄りがやっているのかな。少しすると物体が右へ移動していく。では中へと門番さんの後をついていく。そして先程の物体の正体を知り驚く。
「こ、これは」
物体の先には人が居た。そして肩から物体が生えている。そう、謎の物体の正体は肩パッドだった。
「あ、聞いていませんでしたか。ウチは偉い人ほど長い肩パッドなんですよ」
たまに魔法使いが肩パッドを身に着けていることがあるけど、それをそのまま横に伸ばした様な物。しかも普通の長さではない、門の入り口から大声を出さないと聞こえない程度の長さ。肩パッドを見ていると門番が大声を張り上げる。
「危ない、伏せて!」
声に反応して、体を屈める俺。間一髪、頭上を肩パッドが通り抜けていく。
「気をつけてくださーい!」
「すまなかったな」
左手側にいた魔法使いが体を回転させたようだった。かなりの勢いだった肩パッド。ぶつかると頭の位置の近くだから危険だ。なるほど、これは鍛えるには格好の場所だったな。想像がつかないところからの攻撃とか。長肩パッドに驚きすぎて動けなくなっていたらやられていたかも知れない。
建物の中に入り、奥の大きな扉の前まで。へー、やはり立派な建物だ。だけど規模の割には人が少なかった。そして何故人が少ないのか、その答えは頭の中で固まりつつある。
「お入りください」
開けてもらい、中に入る俺。目の前には、外に居た魔法使いの2倍はあるのではないかと思われる長さの肩パッドを身に着けた老人が、王座のように装飾された美しい椅子に座り、俺を出迎えてくれた。それにしても長い。よく見ると壁を貫通している。
「儂がラヒャウだ。かしこまらなくていい、楽にしてくれ」




