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2話 冒険者

 冒険者か、お金を稼げると先程街の人から聞いたな。知らない世界で野宿は辛い。冒険者になってお金を手に入れて寝る場所を確保したい。


「冒険者ギルドならその道を――」


 挨拶をして聞いた通りの道を進む。巨大な建物が見えてきた、あった、あれが冒険者ギルドか。中に入ると武器や鎧を身に着けた人達が行き交っていてとても活気があった。受付で手続きをする。


「はい、冒険者希望の方ですね。お名前は?」


 俺の名前は露気濫つゆ きらん、友達からはキランと呼ばれていた。キランにしよう。


「キラン様ですね。少々時間がかかります、お席に座ってお待ち下さい」


 後方のテーブルがある席に座った。内部を見渡す。数多くの冒険者達が行き来している。重そうな鎧を身につけた人、魔法使いの帽子をかぶっている人。まるでゲームの世界だな。尻尾に大きな耳が頭についていたり、翼を持っていたりと特徴的な人たちも多数いる。人間だけではなく様々な種族が暮らしているんだな。


 ギルド入り口付近の床に穴が空いていて工事中になっている。はは、重量がありそうな装備を身に着けている人がたくさんいるんだ、穴が空くこともあるか。


「お待たせしました、では奥にある階段から2階に上って「相談室の3」へ行ってください」


 言われた通り階段を上り、2階へ。相談室3を見つけ部屋に入ると、中には大男が。男は書類を広げながら立ち上がりこちらに話しかけてきた。


「キランだな? 新規冒険者担当の者だ、よろしく頼む」

「はい」


 冒険者に関しての説明をしてくれた。レベル制で、魔物を倒すと経験値を入手。上がるとポイント与えられ、ステータスに振ることができる。ステ振り系の世界か。力に全振りしていたな。山が当たっているといいけど。


「ではクラスについて」


 クラスとは剣士などのことを指すと説明。ゲームでよくある職業、ジョブ等のことだな。この世界では生まれ持って1つだけのようだ。自由に変えられない。


 担当の人がこれから道具を使いクラス検査をすると、テーブルに置かれている拳大の黒い玉と、円が描かれた銃の的のような物を指差す。正式名称は魔法弾式検査装置というもので、的に向かって魔法の玉を投げると玉が破裂、内部液体の広がり具合を後ろの装置で読み取りクラスを判別するのだとか。


 担当者の人が的の後ろにまわり装置を起動、検査を開始。玉を手に持ち、真ん中に向かって放り投げた。飛び散るように破裂、的はペンキをぶっかけたような状態に。的が一瞬光り、装置の後ろから雷のような音が聞こえた。


「よし、出力できた。ん、これは……」


 渋い顔をしながら、薄くて小さいカード状の金属板持ってこちらへ。失敗でもしたのかな?


「君のクラスは銃使い」

「ふむ」

「……残念だが外れのクラスだ」


 銃使いは銃を使うクラス。この世界の銃は現実世界の銃と見た目はそっくり。火薬が魔法の薬に置き換わっている。魔法薬は火薬と違いいくつか種類がある。


 問題なのは銃はどのステータスも参照されず、攻撃力は基本的に魔法薬の強弱だけで決まる。他クラスは力と武器、魔法なら魔力と魔法の杖などが組み合わさり攻撃力となる。最初の頃はまだいいが、レベルが上がるにつれ力の差が出てくる。更にスキルにも問題がある。スキルとは技や魔法のこと。詳しくはまた後で説明するとのことだが、とにかく弱いようだ。


 うわぁ、ステータスがクラスに合うかどうかですらなく、ハズレのクラスを引いてしまったとは。ついてないな。振り直しが出来たとしても無駄ってことか。キャラのやりなおし、はできそうにない。これ死ぬとそのままゲームオーバー、人生終了だよな? それでも冒険者になるかと尋ねてくる担当者。うーん、お金を稼ぐあてが他にはないし、一応やってみるか。


 担当者は奥から注射器のようなものを持ってきた。先端には「アビリティメタル」という能力の操作に必要な金属片が取り付けられていると説明。俺が椅子に座ると、担当者は後ろに立った。針を首の根元に刺しアビリティメタルを埋め込む。少しだけ痛みがした。


「目を瞑って念じると自分の能力が表示されるはずだ」


 念じるとこの世界に来る前に見た画面が表示された。それに加えて銃使い、種族特性、スキル、レアスキルと新しく表示されていた。


 種族特性は種族によって飛行能力を持っていたり、魔力が加算されたりする。人間の俺はナシのようだ。


 スキルはクラスの技。基本は同じだが種族によって微妙に違う。レアスキルは稀に一個人が使える専用のスキル。おや、覚えているぞ。「ガンアクション」? まだ使えなようだが。


 残りは明日、銃使いのギルドへ行って話をすることに。クラスごとに専用のギルドがある。今日は冒険者ギルドの宿を借りられるようだ。職員が部屋に入ってきた。担当者にカードを渡す。


「これは冒険者カードだ」

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