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18話 竜星剣

 弾が飛び回るスキルだから危険なんだよね、先に試しておこうかな。ぶっつけ本番で使って跳ね返らなかったら悲惨だからな。仲間の反射を実験してみよう、ディーナにお願いする。威力が弱すぎるとダメージが入るかわからないため、ちょっとだけダメージが入る弾丸を使う。構える。


 ……うーむ、勢いでここまで来たがやはり仲間を撃つのは良い気がしないな。ディーナが遠慮するなと微笑みかける。ごめん。彼女に向かって弾丸を。弾は跳ね返り何処かへ飛んでいった。ダメージはなし、成功だ。


 これは面白いスキルだ。色々と応用が効きそう。仲間撃ちは誤射が怖いから緊急時だけにしないとな。仲間以外には当たる。乱戦時は注意だな。


 シアはトルネードパリィを覚える。剣に渦巻状の風を発生させ、剣技と風の力で相手の武器や敵の攻撃をうまくいなす技。大型の魔物の体当たりやハンマーなど大きな質量を伴った攻撃には使えない。限られた場面で真価を発揮する技。レミーはクロススリーパーを覚える。これもドネさんが使っていた技だな。ディーナはHPアップ。


 カニは今日で終わり。今夜の晩御飯で名残惜しいがカニ料理も終わり。まだ昼過ぎ、もうしばらく狩ってから帰ろう。狩りを続けていると川の上流から大きな音が聞こえてきた。その後川に異変が起こる。


「水の流れが止まりましたね」


 完全に枯れた。上流で何かが起きたのだろう。気になり見に行くことに。上流は谷になっていて、その隙間を川が流れている構造。上部が崩れ滑り落ちたようで、谷間に大きな岩石がはまり込んでいる状態に。こいつが流れをせき止めたんだな。それにしてもでかい。とても破壊できそうにはない大きさだ。


「まずいことになってるな。しかもただの石ではないようだ」

「流れが他の洞穴に流れ込んでいる」


 ただでさえデカくて破壊が難しいのに、硬い金属層を含んだ岩だとの話が聞こえた。そしてせき止めた水は、あふれずに途中の開いている洞窟に流れている。このままだと今の川は干からび生態系、人々の生活が大きく変化しまう可能性がある。


「今から片付けます! 皆さん下がって!」


 大きな声で誘導する人が。皆何事かとそちらを見ると納得して下がっていく。1人の男が大岩の前に立っていた。


「ウエンスか。なら任せておけばいいな」


 下がりながら誰だろうと見ていると、シアが説明してくれた。


 剣英殿、弐英のウエンス。最強の魔剣「竜星剣」の使い手。竜星剣は流れ星が竜の形に見えた隕石から作られた剣。万物を一刀両断するというとんでもない性能。


 翼を持つ獣人族が彼の肩を掴み、飛び上がっていった。岩の上に到着したところで下に落とす。落ちながら剣を構え、スキルを放つ。


「ウインドブレイド」


 大きな風の刃が大岩に発射される。刃は大岩を突き抜け、川底まで到達、大きくえぐる。その後数発ウインドブレイドを放ち、大岩を粉砕。ここまで細かくされた岩ならなんとか引っ張り出せそうだ。


「ウインドブレイドは本来は牽制技程度の威力だけど、魔剣竜星剣の力が加わるとここまでとてつもない破壊力になるんだ」


 身震いしながら大岩の崩壊を見守るシア。弐英はそのまま街へ帰っていった。いや、まてよ。弐英ってことはまだ上がいるのか。恐ろしいな、剣の業界は。


 街に戻りギルドへ。料理を作っていると、ドネさんたちが来る。最後ということで高いお酒を持ってきてくれたようだ。


 パントさんもギルドに。おや、いつもとは違う服装だな。いつものお付きの人がおらず1人だし。最後だから張り切って自分だけ早めに来てしまったのかな。はは、パントさんらしいかも。


「破産しちゃって」

「まじで!?」

「ふふ、パントさんらしい。今回で3回目?」

「いやぁ、商才はなさそうだね」


 楽しそうに語り合っている。気を落としている様子はまったくない。それならいいけど。ドネさんは色々と知っている様子、付き合い長そうだな。それにしても3回目て。破天荒な人だ。いや、ここにいるほとんどの人が破天荒な気がする。似た者って集まりやすいのかな、趣味なんかはそうだけど。


 住んでいる場所は変わらず、力仕事をしながら暮らしているようだ。巨人族は儲けられると聞いていた通り、良いお給金を貰っているとのこと。お土産と酒のつまみを渡された。


 旨い酒、つまみ、カニ。食べ物を堪能し、今日1日が終わる。

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