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11話 ベヒモス人族

 まずは食品ギルドから。形式は冒険者ギルドと同じ。依頼は冒険者カードで受けられるようだ。レッドアイの肉はと、あるね。へぇ体の肉が大きな傷無し、一定の大きさなら1.5倍か。なかなかいいな。


 基本独立しているが、急ぎや依頼を受けてもらえなくてどうしても欲しいという場合、冒険者ギルドへ張り出すこともあるとか。食品ギルドならお肉のマークが付く等、一目でどこの専門ギルドかわかるようになっている。この場合、報酬がさらに上がるから狙い目ではある。


 皮ギルドへ。こちらも体に傷なしなら1.5倍。依頼もたくさんある。狩りまくって後から依頼を受けてもいいな。


「新規の冒険者だな。はは、うまく立ち回れば稼げるぞ。レッドアイなら首を跳ね飛ばすか頭を狙って倒すのがおすすめだ」


 掲示板を見ていた先輩冒険者から助言をもらう。なるほどね、ありがとうっす先輩、覚えておこう。がんばんなと手を振り去っていった。よーし、明日から稼ぐぞ。


 外に出ると夕暮れが街を紅く染めていた。宿屋へ行き1人1部屋を借りる。さて、晩御飯かな。3人で店に入り酒と料理を頼む。レミーもお酒を飲む。聖女はお酒を飲んではいけないとかの決まりはないようだ。お酒を飲んで食事をしながら談笑。楽しい時間を過ごした。シアは酔いつぶれることなく真っすぐ歩いている。宿に泊まり朝集まって朝食を食べ、冒険者ギルドへ。


 途中ギルドの練習場待合所に、変わった靴を履いている女性を見かけた。円盤を半分に切ったような靴、大きな盾を持っている。胸当てに前垂れ。むむむ、肌の露出が多いな、お尻が丸出しだ。あれで盾使いなのだろうか。


「ほら、失礼でしょ」


 視線に気がついたのかシアからお叱りを受ける。


「ぐっ!」

「しまった!」


 練習場で剣士同士が熱の入った練習中、障害物に剣がぶつかり根本から剣が折れてしまったようだ。その千切れた剣が女性に迫る。気がついていない、このままでは突き刺さるぞ。走りながら彼女に避けろと伝える。声が聞こえたのか後ろを振り返る。が、剣はすぐ近くにまで迫っていた。くっ、間に合わないか。


 次の瞬間、剣が彼女の顔に当たるが金属音とともに跳ね返っていった。回転しながら下降し地面に突き刺さる。確かに顔に当たっていた。刃引きはしてあったが普通は突き刺さるくらいの勢いで飛んできていた。どれだけ頑丈なんだ。


「すまない!」

「かまわない」


 剣を飛ばした剣士が謝る。怪我がないか確認後練習場に戻っていった。入れ変わるように俺が彼女に話しかける。


「今のが大丈夫なのか」

「ああ、体は頑丈に出来ていてね」


 話しているうちに仲良くなり、彼女のことを知ることに。彼女はディーナ。レベル1盾使い。八天境地と呼ばれる場所から来た女性。


 八天境地はこの世界にある奇妙であったり過酷であったりする特殊な土地。種族がベヒモス人族という頑丈な種族。それならさぞ人気があるに違いないと思いきや、実際はPTを組んだことすらないとか。原因はその重量。体が重く素早く動けない。上半身だけなら一般人と同じように動く。


 そのため通常の歩行がとても遅い。ちょっと距離がある狩り場なんかだと到着する前に日が暮れるそうだ。この特殊な靴は重量を分散させるために履いている靴。


 しかしこの頑丈さはもったいない。しかも天職とも言える盾使い。そうだ、この手なら。


「持ち上げて移動すればPTを組める」

「試してみるか?」


 靴を左右に開き、後ろから彼女を後ろから抱きかかえる。こう見えても力には自身があるんだ。石像を振り回した初期ステ力全振りの力を見せてやるぜ!


「フンギギッ!」


 駄目だ、ぴくりともしない。すでに他の人も試していて彼女を上げられたのは高レベルの力自慢だけだったとか。ただ、高レベルではPTを組んでも経験値が入らない。レベル差があると経験値が入らない、そもそも組んでもらえない。俺でも駄目か。高レベルの力自慢に匹敵する低レベルの力自慢なんて。


「私が挑戦しましょう」


 ここに居た!! 同じように後ろから抱きかかえ持ち上げる。レミーの足が少し埋まりディーナの体が浮いた。おお、流石巨人族。


「すごい力だな!」


 驚いているディーナ。彼女をゆっくりと下ろす。レミーは持ち上げて歩いても大丈夫と答える。これならPTを組んで狩り場に行けそうだ。


 3人で相談。現在我々は銃使い、魔法剣士、聖女。アタッカー2にヒーラー1。バランスを考慮すると盾使いは丁度いい。満場一致で決定。、彼女を仲間にすることにした。PT石を彼女に渡す。


「ディーナだ、よろしく」


 しかしこのまま直に持ち上げての移動は大変だ。皆と考えることにする。そして鉄製の箱を作ることに。下部の鉄板厚めに張り、背負えるよう細工を。後は軽量化のために木材かな。

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