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クラスメイト、濃い!(2)

 「……ぁ」

 「桜庭さん……もう、バレました」

 「諦めるんだべ、姐さん」


 鏑木、いつ桜庭さんはお前の姐さんになったんだ。


 「ああああ!うわぁぁぁぁ!ちくしょおおおおおお!高校では清楚で通すはずだったのにいい!!中学の時にスケバンになって"狂気の桜"なんて言われて、恥ずかしすぎたからもうヤンキー辞めようとしてたのにいいいいい!!!!」

 「全部説明してくれたわ。いや、しかしこの人も仲間だったかぁ」

 「シンパシー感じるべ!」

 「なんだお前ら!アタシをコケにしてんのか!?」

 「いえ、そうじゃなくて……」

 「オラ達もなんだべ」

 「あ?」

 「俺は天才に見せようとして……」

 「オラはカッコいい不良に……」

 

 俺らは、俺たちが高校デビューを目論み入学式前に全てがパーになったことを話した。

 

 「……ってことで」

 「……それで、七三分けに籠?でそっちは赤髪でかっ、か……」

 「カツオ節だべ」

 「カツオ節……っ」


 桜庭さん、俺らの話を聞いて目が潤んでる。きっと、自分と同じ境遇でデビュー失敗した俺らに同情してくれてるんだな。何だ、怖い人かと思ったけどいい人じゃないか!と思ったけど──


 「っっっっぶはっっっ!何それ面白すぎでしょ!!!こ、高校デビューで、七三分けに、籠に、か、か、かつっ」

 「カツオ節だべ!」

 「ひひひひひひっ!!!やめっ、やめろ!何でカツオ節を自信満々に元気よく言うんだお前!!」

 「いいじゃねえか!枝咥えるより旨えんだもん!!」

 「あはっ、あはは!ヤンキーになりたい奴が、カツオ節っ!!面白いなお前!!」

 

 笑いのツボに入った方だったかー。


 「お前じゃねえ、鏑木だ!それに、オラの笑うなら金村の方笑えよ!コイツ先生に向かってメイドみてえな挨拶したんだぞ、この格好で!」

 「あっ鏑木お前、言うんじゃねえよ!!」

 「ちょっ、ふっ、ははっ!や、やめて!!笑い死んじゃうから!!」

 

 さっきまであんなにメンチ切ってた人が、いま笑い転げてる……ゲラなんだなこの人。


 「ひぃっ、ひいっ!いやー、笑った。お前ら面白いな!」

 「こっちからしたら面白くはなかったんですが」

 「だからぁ、お前じゃなくて鏑木俊太!こっちは金村彼方だべ!」

 「あぁ、ごめんごめん。アタシが元ヤンなのはバレたけどさ、シュンタ、カナタ!二人のおかげで、明日からも楽しく学校行けそうだよ」

 「そりゃよかった」

 「なんでも元気ならいいべ!それと、オラ達はアンタのことなんて呼べばいいんだ?」

 「あー、さやかって呼び捨てでいいよ。コレからよろしくな二人とも!」

 「じゃ、よろしくだべさやか!」

 「俺もよろしく、さやかさん」


 彼女の笑顔に、俺らは笑顔で答えた。それに俺は何だか、彼らとは長い付き合いになる気もして。


 「あっそういやよ」

 「どうした鏑木?」

 「なんかあったか?」

 「いやよ、大したことじゃねえんだべが」

 「なんだよ、気になるから言ってくれ」

 「そうか?じゃあ言うけどよ」


 けど、どれだけ長い付き合いになってもコレだけは言える。


 「金村がさっきよ」

 「うん?」

 「さやかのこと好きって言ってたぞ」

 「えっ」

 「えっ、ごめん無理」

 「爆速でフラれたな金村!」

 「鏑木お前それをこの状況で言うんじゃねえッッッあと俺は清楚な子が好きなだけだからッッッ」

 「あっじゃあ、ん゛ん゛っ……ごめんなさい、金村さん。私、あなたのことまだよく知らないし、そもそも好みのタイプじゃないの……」

 「わざわざ清楚な声色作ってしっかり断るんじゃねえええッッッ」

 「あっはっはっ、コテンパンだべ!」

 「ま、アタシっていい女だからさ……惚れるのも分かるよ……ごwめwんwなwカwナwタwww」

 「笑いながら謝るなクソォォォォ!」

 

 こん時のお前ら二人、一生許さねえからぁぁぁ!!!!

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