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ワクワクドキドキ、勧誘会!(3)

 「千春さんいい人だったべ!」

 「そうだな。こりゃ早くもシュンタは園芸部で決まりか?」

 「うん、そうしようと思ってるべ」

 「そうか〜。アタシはどうすっかなー、帰宅部もあるっつーから見たいが……」

 「帰宅部は、えっと……どうやら校庭の方みたいだな。いま屋上だけど、下まで降りて見てみるか?」

 「いんや、流れで最後に見れりゃいいや」

 「ほいよ。んじゃ、1階降りまして、と。この階で気になるのは──お、料理部があるな」

 「それって、さっき千春さんが言ってたやつだべ?」

 「たぶんな。正式名称は料理研究部らしいけど、場所は……あれだ、調理実習室。せっかくだし見てみるか」

 「料理部ってなーんか女子がキャピキャピしてやってそうで、アタシの肌にゃどーも合わねえんだよなぁ」

 「まあまあそう言うなって。そして俺はキャピキャピするかわいい女子を見たい」

 「かわいい女子ならココにいるだろ?」

 「外見はいいんだけど中身がね……」

 「よーしアタシ、ヤっちゃうぞ♡」

 「そういうとこだぞ。あ、やめてください肘関節キメるのは俺の右腕が使えなくなっちゃううううう!!!」

 「オラはなんかうまいもん食いてえ!!!入ってみるべ!お邪魔しまーす!」


 そうしてガラガラと開けた扉の先には──。


 「はい10番テーブル上がります!!」

 「これ野菜素揚げした!?時間ないよ!!」

 「おい新入り!!!下処理できてねーぞこれ!!」

 「え!?注文変更!?もう麺茹であがっちゃったよ!」


 ──中華料理屋店の厨房が広がっていた。なんで??しかも全員料理の鉄人みてえな修羅の顔してるんだけど???女子たちの秘密の花園はどこ???

 

 「ん……おや、見学者だね。君たちは衛生検査してないからここには入れないんだ。隣の部屋で説明会やってるから、そっちに行っておいで」

 「あ、そーなんですか。失礼しました。おらっ、行くぞカナタ!」

 「女子……何処……」

 「よく見ろ女子はちゃんといる。ただ全員顔が劇画調の中華料理人になってるだけだ」

 「いい匂いだべ〜……お腹空いた……」(グギュルルルズガガバキーンドカーンギュオーン)

 「お前の腹の音すごいな」

 「ははは、隣に多少の試食を置いといたから、食べてみるといいよ」

 「チーフ!食材が足りません!!」

 「わかった!……ごめんね、いま忙しいんだ」

 「あ、いえ。ご丁寧にありがとうございます」

 「それじゃまたご縁があれば……ォオッス時間ねえぞオメェらぁ!!」

 「指示出す時の声は野太っ」

 

 と、言うわけで隣の部屋へ。


 「失礼しまーす(ガララッ)」

 「あ、ザコ♡」

 「うげぇっ美代がいる!!」

 「お、ここにいたのかミヨ」

 「うん。料理研に興味があって……」

 「試食!!試食はどこだべ!!!」

 「おい鏑木、腹減りすぎて野良犬みたいに四足歩行するな、野生児とは知ってたけど野生に帰るんじゃねえ」


 そんなバカ犬となった鏑木を嗜めていると。


 「うるさいネ、そういう生徒には試食あげないヨ!待テ!」

 「わんっ!」


 鏑木を諌める調教師が現れた。


 「いい子ネ、お座りしてなさイ」

 「あのー、あなたは……?」

 「初めましての生徒さんだネ。ワタシ、サンダー・リー言う。この学校の家庭科教師ヨ。料理研究部の顧問もやってるアル」

 「中国の方なんだぁ」

 「あれ?でも俺が購買に行った時、リー先生カタコトじゃなかった気がするけど……」

 「それは〜〜〜その〜〜あれヨ。購買の時だけは気持ちが昂って、カタコトじゃなくなるネ。」

 「ふーん……?」

 「ま、とにかク!我が部の説明会にようこソ!……と言っても説明すること殆どないネ。大体料理してるヨ。以上。」

 「それは省きすぎでしょ!?!?」

 「じゃあもう少し詳しく説明するネ。ワタシ、大体何でも作れル。生徒、作りたい物ワタシに教えル。ワタシ、それについて教えル。隣の部屋見タ?彼らはプロの料理人目指してル。そういう子はあんな風にビシバシ鍛えル。楽しみたい子は優しく教えル。以上!」

 「レベルに合わせてってことか」

 「そう、ソレ」

 「ところで先生、あのー」

 「どうしたノ、メスガキ」

 「(メスガキは万国共通用語なのか……)」

 「その……ゴニョゴニョ」

 「何?聞こえないヨ?こっちきて言っテ?」

 「はい、その……」

 「うん?」

 「(気になる人にお弁当作りたいんですけど、そういうのも教えてくれますか?)」(小声)

 「……うひょー!!青春だねぇ!!!甘酸っぱいねぇ!!」

 「ちょっ、先生!声が大きいです///」

 「いいよ!全然ウェルカム!教えるよ!」

 「やった♡」

 「何を話してんだアイツ?」

 「何だべ何だべ〜?」

 「男どもにゃ分からねえ話さ……」

 「じゃあ清花はわかんのかよ!」

 「分かるね!」

 「何の話だ!!」

 「そりゃもちろん──『焼き魚食べる時、どうやったら綺麗に食べられますか?』に決まってる」

 「決まってねえし絶対に違うと思う」

 「そうだべ!!あれは『タマネギ切ってる時に涙が出るのはタマネギが泣いてるからですか?』に決まってるべ!!」

 「ちげえよ多分!!『包丁使うとき猫の手って言いますけど猫の手って実際あれは猫にとってはパーなので人間で再現したらパーになりませんか?』だろ!!!」

 「お前のは長すぎんだよぉ!!」

 「何をお!?」

 「はいはいうるさいヨ君たち!!このエビフライの試食あげるから黙ってナ!!」

 「そんな試食如きで」パクッ

 「アタシらを黙らせられると思ったら」パクッ

 「大間違いだべ!」パクッ


 (((うっっっっっま)))


 「黙ってんじゃン」

 「くっ、この美味さに免じて今日のところは引き上げてやる!おいしかったですごちそうさまでした!!」

 「そ、そうだ!次はこうは行かないからな!!これどこかで買えたりしますか!!アタシもっと食べたい!!」

 「うまかったべ!!!」

 「もう3人目に至っては取り繕う気もなくなってるネ。これは購買に売ってるから今度おいデ。」

 「じゃあまたね、飯に負ける雑魚♡」

 「うるへー!」


 「ところでメスガキちゃン。君が弁当渡したいのハ、あの男の子かナ?」

 「えっ何でそれを」

 「いや見りゃ分かるヨ……。変わった男の趣味してるネ、キミ……」

 「……///」

 

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