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先生が、やべえ!(5)

 (きーんこーんかーんこーん ひーるーおわーりー♪)


 気づいたけど、うちの学校のチャイム人が歌ってんなこれ。通りでなんか変だったわけだ……。

 っと、そんなことよりも。いよいよ5時限目、教科は体育。腹ごなしの運動といきますか!

 てなわけで、優等生な俺は真っ先に着替えを済ませ、体育館にやってきました。(とんこつの臭いが申し訳なくて早く部屋から出たかったのもあるけど)……が、体育館に足を一歩踏み入れてすぐ気づきました。変な人がいます。

 たぶん先生だと思うんだけど……包帯ぐるぐる巻きのミイラ男みたいなやつに点滴刺さってるのは……もはや性別すら不明だよ……ホントこの学校どうなってるの……。


 「よーし運動は得意だべ!お、どうした金村……えっ、入院患者……?」

 「カナタ、シュンタ何固まってん……死体……?」

 「そうなるよなやっぱ……」


 次第に生徒が集まってきたけど、みんな一回はビクッと驚く。何だろうねこれ……。けど一人だけ、物おじしない生徒が!!!


 「やば♡包帯ぐるぐる巻きの貧弱ザコじゃん♡体よわよわ♡お大事にして♡」


 そう!!!メスガキこと橘美代である!!!


 「おいおい。得体の知れないものに近づいたら危ないぞ」

 「そうだそうだいってやれ清花」

 「大丈夫だって♡こんな弱そうだし♡」


 「……誰が……弱いって……?」


 「「「!?」」」

 

 重低音の声が俺らの耳に飛び込む。発信源は……包帯の中!!!


 「オラァ!!!」(びりびりぃ!)

 「うおおっ!?素手で包帯を破いたべ!!」

 「ほらみろ橘!!!超元気なやべえ人じゃん!!!!貧弱じゃないじゃん!!!!!……余計になんで包帯巻きだったの???」

 「はうっ男性っ……はずかしいよぉぉ///」

 「今さら恥ずかしがってんじゃねえポンコツメスガキィィィ!!!」

 「豚骨クソガキがなんか言ってるべ!」

 「まーまー落ち着けよ。で、アンタ先生でいいんだよな?」

 「ああ、如何にも。俺がこの学校の体育教師、強杉航(つよすぎわたる)だ」

 「強杉?ていうことは校長先生の……」

 「チッ、忌々しいが孫だよ。あのクソジジイの」


 どうやら仲が悪いらしいな……その時、俺の頭良すぎてヤバめな頭脳は、その空気を瞬時に読み取り、話題を変えるという異次元的なこう……そう言うアレで空気を変えようと試みたのである!!


 「そうなんですね〜……ところでなんで包帯でぐるぐる巻きだったんですか?」

 「あ゛あ゛?クソジジイにやられたんだよ!!!」


 うーん、空気読み失敗☆


 「いやすまねえ、生徒に当たってもしょうがねえな……うちの保険医によ、全治3ヶ月って言われてこんなんされてよ。治すのに5日もかかっちまった」

 「化け物かな?」

 「ジジイにも致命傷いれたと思ったんだがな……ピンピンして始業式に出やがって……」

 「化け物かな???」

 「次は確実に息の根を……」

 「先生!それは生徒の前で言っちゃアレです!!それより授業はじめましょ!!!」

 「ん?……それもそうだな。よーし今日は初日だし、準備運動の後は軽く遊ぶ感じにするぞ」

 「おっしゃ!待ってましたべ!」

 「さいっこうだな先生!!何やるんだ!!??アタシ待ちきれねえよ!!」

 「おう、種目は鬼ごっこだ。そして鬼は……俺」

 「えっ、病み上がりじゃないんですか先生」

 「舐めるなよ?お前らごとき3分ありゃ足りる」

 「ほう……舐められたもんですねぇ先生……」

 「山育ちの強さ見せてやるべ!」

 「元スケ番の実力もな!!」

 「煽りなら負けない♡」

 「俺は……優秀なんで!!!」


 負けられない鬼ごっこが、いま始まる──!

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― 新着の感想 ―
[一言] じわじわとジャブのように効いてくる笑いが癖になりそうです。キャラクターもみんな濃ゆいながらに良い子ばかりで、微笑ましいような関わりたくないような複雑な心境ですが、楽しい学校生活を見守れそうで…
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