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先生が、やべえ!(4)

 よかった……俺の股間のリトル金村は、授業終わりと同時に帰ってきた。寂しかったろ、もう大丈夫だから……。鏑木も、涙を流して自分の股に話しかけている。


 「オラのBIG俊太……!よく戻ってきたな……」

 

 ……訂正しとく、俺のは超巨大要塞金村だから。嘘じゃ無いから。……ホントだよ?カネムラカナタ、ウソツカナイ。

 さて、授業もいよいよ四限目に突入だ。ここを乗り越えれば至福の昼メシタイム。ま、今日は弁当作ってないんで、授業終わったらダッシュで購買行かなきゃならんが。

 で、次の科目は英語。きっと、というか確定で次の先生もヤバいだろうけど、ここまで来たらどの方向でヤバいのかが楽しみになってきたぞ!

 

 (キーンコーンカーンコーン)


 チャイムが鳴った。さてさて先生は──?


 「よーし、席につけクソガキども!」


 ガラガラッとドアが開かれ、口悪く生徒たちに着席を促す英語教師。それにギョッとして、みんなでそっちを向く。

 けれど。


 「あれ?先生の声がしたような……?気のせいか?」


 俺の席からは、先生の姿が見えない。ドアは開いているので、入ってきているはずだが……?


 「おい、お前の目は節穴か?ここにいるだろここに!」

 

 またも、声が。方向は……前方下部?


 「カナタ、そこにいるぞ、そこ。ほら、教卓と同じくらいの高さで、教卓の隣に……」


 清花に促され、イスから立ってそこを見る。……なんと、みかん箱を抱えた、小学生の男の子がいるじゃないか!どうしたんだろ?高校に迷いこんできたのかな?


 「なーんだ、小学生が迷い込んできちゃったんだな」

 「そうらしいべな。どうしたんだべ僕?ここは高校だべ?」

 「坊主!お菓子あげようか?」

 「怖くないよ♡こっちおいで♡」

 「……」


 んん、反応が悪いな……?下を向いて震えている。きっと急にこんな場所に来て、不安で心細いんだろう。ならば今、この子が求めているものは何だ……?

 俺の天才的な頭脳が弾き出した答えは包容力。自分がこの子の父親だと思って、優しく抱きしめてあげよう。そうすれば、彼の心細さも、和らぐに違いない!


 「ほら、怖くない、怖くないよ……」


 幸い、ジ○リのNowな鹿を視聴したことがあるから、対処法は知っている。アレだ、あの肩に乗る動物と同じ感じだ。多少噛まれても、反撃をしない。それこそが秘訣──。

 

 「ね、大丈夫、大丈夫だから……」

 「…………は、……だ…………」

 「ん?泣きそうかい?いいんだよ、泣いても……」

 「……俺は、英語の教師だクソボケェッッ!!」


 瞬間、無防備な下半身に蹴り上げられた足。流石の巨大要塞も奇襲には弱いのだ。つまり、金村彼方、股間を抑えて撃チン──。


 「いいか、耳の穴かっぽじってよく聞け!!俺は首藤海斗(しゅとうかいと)!八部江高校の英語教師で、成人済みだ!!!分かったか!!!次に小学生と間違えた奴、ここにいるsmallなpenis野郎みたく地面に這いつくばらせるからな!!!」


 いたぁいよぉ……股間への負担がデカいよ今日……あと違うもん……bigなpenisだもん……蹴ったせいで一瞬ちっちゃくなってるだけだもん……。

 

 「ったく!授業始めるぞガキども!!!……ちなみにだけど、俺を小学生と思ったやつ、どんくらいいるの?正直に手を挙げてみて……」


 床で悶えつつも、頑張って手を挙げる。周りを見れば、清花と、鏑木、メスガキこと美代、その隣と、前と、続々と手が上がって──。


 「……全員手を挙げてるじゃねーかちくしょおおお!!もういい!!今日は自習にする!!!授業やんないもん!!!お前ら覚えてろぉぉぉ……」


 海斗先生、半泣きになって教室出てっちゃった……そういうとこも小学生っぽいよ、先生……。

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