第23幕:盗賊は度胸
思えば、ゲームの中で「鞭」を武器に使ってる人ってあまり見てないよね。
単純に挙動が難しそうっていうのあるだろうけど、やっぱり強すぎるからかな。
12聖にも、今の所鞭使いさんは確認できてないし。
それとも、実は彼がそうだったりするのかな。
―――いいや、やっぱり鞭なんてとんでもない。
人が打ち上げられ暴れる大魚のひれに当たっただけで死亡するように、あのしなやかなフォルムから繰り出される横薙ぎには途轍もない威力が乗っている。
それを、音速で繰り出すだなんて。
鞭は、本当に最高峰の武器だから……っと。
「ロランドさん、上」
「―――元よりッ!!」
繰り出される、10メートルはあるだろう闇の鞭打……瞬時に身を捻り、回避行動をとる前衛。
勿論、私やマリアさんにそんな回避できる技術がないのは周知だけど。
「世話の焼ける」
「ひぅぅ………」
「有り難うク―――ウォさん? って言えばいいの?」
「……好きにしろ」
私とマリアさんは、暗黒騎士さんの駆る飛竜さんに同乗―――皆と意思疎通できる程度の距離感で戦域を飛び回る。
これなら機動力にも問題はない。
そう。一番良いのは、そもそも当たらないこと。
ロランドさんのようなタンク型の前衛職にそれを言っちゃうのは身も蓋もないような事だけど、事実だ。
今の私の状態からしても。
出来得る限り、彼等には損害を被って欲しくないし……。
「良いよ、そのまま狙える人は攻撃。欲をかかず、一撃だけね」
「「応」」
「蝨ー蠎―――螟ゥ荳―――」
こういう戦法を選んだのは、敵の戦闘パターンが明らかに変化したというのもある。
両手に握られた短剣の連撃、彼の代名詞でもある強力無比な弓の一撃―――。
全て、技術の技だった。
今までの彼なら、そもそも避ける暇さえ与えてくれなかった。
……。
今の彼はどうだろう。
今や完全に闇の影にのまれた盗賊王さんは、既に意味のある言葉を発してすらいない―――かさね、獣のような暴力だ。
それがむしろ大規模殲滅には向いていても、今までより少数で戦うには易くなっているような気もする。
ハクロちゃん、ロランドさん、盗賊三人衆の攻勢―――反撃のように闇の鞭が振られると同時、影の矢が数十と撃ちだされ、雨となって襲い来る。
……。
これも。
「やっぱり、今までの計算され尽くした動きがない。守備もガラ空きだね。盗賊速度強化―――」
「はいですわ!」
「レイド君たち、前に飛び込んで。ハクロちゃん、援護お願い」
「護る―――“夢殉”」
「助かります!」
こちらに飛んでくる無数の矢、その殆どを撃ち墜とす無敵の剣。
残った攻撃も、私達に当たる前に頼れる暗黒騎士さんが止める。
戦闘開始から未だ数分。
体感だと既に一時間くらい経ってるような感じなのに、勝負ってそうなんだよね。
「馴染む……見事な。的確な。何故これ程に……互いの動きがなじむのか」
「それは、まあ」
「……これだろ」
「ぽっぽの、数が……」
指揮官の役目はとにかく情報処理だ。
そういう意味では、ハト君達を介して戦場を多角的に見る事の出来る私は合っている。
まるで沢山の監視カメラを処理するように、別々の視点を俯瞰して覗ける。
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
「―――追加増産だ……“小鳩召喚”」
「「ホホー」」
良いね。
能力がどんどん戻って―――レベルが下がるデメリットは、能力値の喪失。
パラメーターに振り分けたものからランダムに対応する分だけ差し引かれて、使用にレベルの制限や能力値の制限が存在するスキルやアイテムから使えなくなっていく。
私にとって大事なのは、三つの基本ルールだけだ。
ひとつ―――能力値は初期値より下にはならない。
敏捷がキャラメイク時の10より下がる事はなく、0になって歩けなくなることはない、魔力0になってスキルが使えなくなることはない、ということ。
ひとつ―――レベル1時点で修得しているスキルは使用不可にはならない。
最も多用する基本回復スキル【光華耿々・初灯り】は使える。
ひとつ―――ここで言う能力値喪失は、二次職には何ら影響を及ぼさない。
道化師のスキルは、その全てが行使可能。
これなら―――。
「******、鄒ス陌ォ鄒ス陌ォ鄒ス陌ォ」
「―――ぁ」
全方位に銃撃のような波動が放たれる。
バベルさんの機銃にも酷似した攻撃。
無差別軌道の熱戦が、空を舞っていたハト君を幾匹もまとめて飲み込んだ。
情報を齎してくれた子機からの映像が途絶える。
「そんな……、―――タカモリ君、右……避けて」
「ッ!」
指揮官は冷血でなければならない。
過去に囚われてはならない。
それが、大切な存在との死別だとしても。
私にできるのは直近の脅威を伝える、それだけ。
避けられるのは、彼等が強いから。
反撃するも、それが出来るだけの力量を彼等が持っている故にそうなっているだけ。
凄いのは私じゃない。
「そういうわけだから別にお礼とかいらないんだ。しいて言うと最近帝都に出来たっていうパン屋さんの一日10食限定食パン―――」
「……………」
「この人は……」
「仲間やられてからの切り替えが早過ぎる」
「あいつの脳みそどうなってんだよ」
「頭おかしいです」
褒められてる気がしない。
「そら、全体攻撃来るぞ。指示くれや」
「―――咒歌、縺ィ繧ゅ□縺、縺ィ繧ゅ□縺、縺ィ繧ゅ□縺」
みたいだ。
全身を闇で覆った盗賊王さんは高らかに両腕を挙げ―――周囲の闇が凝縮、収束する。
背から伸びる三対の翼によって、その姿は中へ浮遊し……んう?
「**********、****」
「「!」」
「掴まっていろ」
「ひぃぃぃぁ!?」
「ハト君かいさーん」
闇の波動が、広範囲にわたって全てを飲み込む―――それより早く竜の手綱を引いた騎士さんのお陰で私達は難を逃れ。
白い鳥たちも、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「“大炎熱防御”―――吾の後ろに、同志たちよ」
「うぇい!」
「たすかるぅ!」
「物理特化にこれはきついですぞ……!」
あちらも、ロランドさんの展開した防御で無事みたい。
あの少人数だからこそ可能なんだね。
これがターン制バトルだというのなら、今度はこちらの番だ。
「攻撃……やんだ?」
「―――好機か!!」
機を見るに敏―――防御を解いたロランドさんが飛び込む。
今に、強大な焔の聖剣が大上段の構えから振り下ろされ―――。
「縺レタ糸ガ死ヲ刻ム」
「……ぬぅ!?」
その斬撃は、盗賊王さんの身体に触れるより早く弾かれる。
反発したように吹き飛ばされる。
広げられた両腕と、闇から出でる呪詛。
一見動かない彼はとても無防備な状態にも見えるけど―――。
「刻ム、刻ム、縺レル」
「これ、攻撃―――出来ない」
「そういう仕様か?」
「ってか、今のって」
「先のは、攻撃ではなくただの準備動作だった可能性があるのでは?」
彼が何らかの呪詛呪文を詠じている間は、どうやらこちら側も手出しできないっぽいかな。
そうなって来ると、あれが何の詠唱なのかによって話が大きく変わって来るけど。
果たして……。
『レジスト―――特殊状態異常:即死ノ宣刻に抵抗しました』
………?
「ちょっと待った―――“極光の祈り”」
「特殊状態異常?」
「ろくでもない言葉聞こえなかったか? いま」
いまのって……、魔力回復しないと。
「皆、ちょっと恐ろしいこと分かっちゃった―――ゴクゴクゴク」
「「?」」
「なんつった!? ルミちゃん分からせ!?」
「おい、人間」
「*しますわよ」
「後衛組物騒! 姫はともかく何で暗黒騎士まで!?」
今はこちらもあちらも物理的な干渉はできない。
だからこそ今しかないんだ。
「今の、即死のせんこくって、皇国に封印されてる大神【死刻神】アリマンさんの権能なんだ。レジストできない人は、多分すぐに解除しないと能力値関係なく死んじゃうタイプの技だと思うんだけど―――」
「「クソ技ぁ!」」
「どうしてそんなこと知ってるんです!?」
実際に会ったから。
「ともかく、ここから導き出される事として、多分今私達がやってるこれって―――正規の戦い方じゃないね、絶対」
「「今更ぁ!!」」
「あ、今更だった?」
「そもそも相手レイドボスなんだわ! こんな数人規模で挑むような相手じゃないんだわ!」
そうだったのか。
本来は多分、一撃一撃ごとにこちらの戦力が削られてかつ、今あった権能みたいな解除不可即死攻撃とかでもどんどん削られる……その分合流してきた仲間と一緒に挑むタイプ。
大量生産大量消費の戦いの筈なんだ。
「ところで、今は急ぎで全員に掛けちゃったんだけど―――宣告が聞こえた人、てーあげーてー」
「「……………」」
「……ん?」
「先ほどの、アレの事か?」
マリアさん、レイド君、タカモリ君にロランドさん……私。
五人。
クオンちゃんとチャラオ君、ハクロちゃんは受けてない。
「―――距離は関係ない。多分、一度に対象選択されるのは五人まで。能力が終わるまで、互いには物理的に干渉できない……勿論参考記録だけど、覚えておいてね。あと、掛けられた人はすぐ報告ね」
「「……………」」
「次来るまでに双方が生きてたらな。―――来るぞ」
そうこうしている間に、敵が動く。
天使の姿をした黒影が12聖としての代名詞たる弓を番え、引き絞り。
「不定……、鋼鉄の鏃―――極光の一条星」
「「ちょッッ!!?」」
それはマズいよ。
大槍、長剣、大斧……色々な武器の形をとった投射体が空間を埋め尽くし、空を駆ける。
まるでポール君やトール君の神器生成。
それと並行して、極大のビーム光線が空に逃げたこちらを執拗に狙ってくる。
冗談じゃない飽和攻撃……、しかもこれって。
「行動パターンが複雑になって来てる。段々と理性を取り戻してるのかな、彼」
「言ってる場合じゃ―――ひァァァ!?」
「掴まっていろ。そうすれば当たらん―――時に三人は重いな。一人減らすか」
「いやぁぁぁ!!」
分かるよ、マリアさん見てると虐めちゃいたくなる気持ち。
「皆、弾幕薄い場所に誘導していくから。避難経路に従って」
「「!」」
「あと、レイド君。薄々気づいてると思うけど、長期戦にするとマズそう。一気に決めるよ」
「―――あんで俺だ?」
「倒したい―――でしょ? 前々から聞いてたから、手伝ってあげたいんだ。名誉団員としてはね」
「あったな、そんな設定!」
「それで、なんだけど。レイド君。勿論最後の一撃は君にお願いするつもりなんだけど―――視える? タカモリ君も、チャラオ君も」
「……! ―――へぇ……」
「指揮官すげー」
「末永くお願いしたいくらいですな、このアドバンテージ」
視界生成。
彼に私の見えているものを一時的に彼等へ共有する。
………。
やっぱり、闇が薄くなってる……。
攻撃の精度が徐々に向上してる。
「―――ャる、ひか、り、眷属」
「白刃……さざれ……!」
「大剣生成―――避炎剣!!」
「ぬる、い」
ロランドさんの投射した焔の大剣が小枝のように払われ、ハクロちゃんの全力の斬撃も一歩届かない。
盗賊王さんは圧倒的不利な筈の短剣二本で互角に渡り合う。
勢いのまま参戦してきたロランドさんを認めると、彼の攻撃を瞬時に回避し後方へ跳躍―――そのまま空中で番えられる、一矢。
「不定、無明の、鏃」
「―――? みえな―――ッ」
「……ぬ……ぅぅぅ!?」
不可視の矢が防御に構えられた武器を叩く……まともに食らってさえいない筈なのに、吹き飛ばされる。
……回復だ。
こうまで強いと、本当に参るね。
「―――“極光の祈り”」
……。
一回使うごとに経験値を消費する技も、そろそろ……。
私も、レベルの回復が非常に遅くなってる。
多分、あの子たちの殆どは、もう。
空虚が、胸に訪れる。
「クウォさん」
「……何だ」
「ちょっとね、能力使いすぎちゃったんだ。共有した視界ももうほとんど見えてないし、魔力もカラ。最後に、為すべき事がある。だから―――」
………。
「ルミエールさん? あなた……」
「あなたの事だ。考えが―――あるのだな?」
「勿論」
「マリアさんも。どうにか生き残って」
「……ルミエールさ―――……。えぇ、お供します! もう、どうにでもなってくださいッ!!」
良い覚悟だ。
こうしている間も飛竜の身体を掠めていく攻撃―――休みなく撃ちだされるビーム光線を旋回で避け続ける飛竜さん。
動きは本当にパワフル。
やがて、飛竜は追いすがる全ての攻撃を引き離し。
「「とびこめー!!」」
「しっかり、掴まっていろッ」
石畳の上を超低空飛行。
突っ込む―――浮遊する相手へ。
「“獄・焔刃滅却”!!」
「―――滅竜刃」
武器を振りかぶり、地獄の炎を放つ騎士―――迎え撃つ堕落の使徒……ぶつかり合う強者同士の圧。
けど―――流石の彼女でも、今回は相手が悪いか。
「半魔ふぜい、……こ、しゃく―――じゃま、だ」
「………くッ!? わぁっ!?」
クオンちゃんが横に吹き飛ばされる。
城塞からもはじき出され―――飛竜さんが追うように飛び出す。
「……ルミエールさん」
「下がっててね、マリアさん」
「―――こ*、エイ……」
……ぽつんと残される、戦闘力皆無組。
今の私はほぼ初期レベル……既に彼の注意はこっちに向いているし、急いで向かって来てるハクロちゃん達も間に合わない。
「―――光、眷属……共」
後衛を潰すは定石。
そうだ、そうだ。
理性を取り戻した彼なら、きっとそうするだろう。
「ルミ!」
一瞬で詰められる間合い。
誰も、間に合わない。
首筋から刃が入り、いとも容易くサクリと抜けていく感覚。
痛みがないのに、不快な感覚。
盗賊王さんが武器を振り抜き、私が消える―――まさにその瞬間こそが、唯一にして最大の好機。
君が、私を消そうとする―――。
それを、ずっと待ってたんだ。
「それじゃあバイバイだ。“脱出転移”」
「「!」」
◇
「―――選手、交代だッ。……“賊滅”!!」
「………ッ!!」
消えゆくアイツと俺の場所が入れ替わる。
本来であれば一瞬混乱するような現象すら、共有されていた視界のお陰で何ら違和感がない。
既に武器を振り抜いた相手に対し、今まさにスキルを発動させたこちら。
それで尚、速さは異次元。
仮に一瞬でも俺が躊躇していたのであれば。
「……な……に!?」
「ざくざくざくざくざくざくざくッ!!」
「―――グォォォッッ!?」
「ぼーなすたーいむ!」
「某たちも参戦ですぞッ!」
状態異常「麻痺」の効果が付与された武器に幾度と身体を貫かれ、影の動きが硬直―――そこへ叩き込まれる更なる連撃。
まさしくボーナス。
勝負を華々しく締め括るるべく―――ついでに、一応はアイツの仇を取るって事で……。
なに突っ立ってんだ。
「おら!! 動けよ、剣聖!! アイツが命削って隙を作ってんだぞ!!」
「……ぅ。―――――!」
「ヌ……グッ。聖天、奥義―――」
「“炎天大征”」
「“夢殉”」
叩き込む。
叩き込む。
ヤツが次に何をしようが知った事じゃない。
一生やる事は無くなるんだから、気にするまでもない。
奪われていく力、体力、すべ。
敵の体力が目に見えて減っていくと共に、大気に溶けていくかのように黒闇が霧散し、消えていく。
巨大な……三メートルはあったかという影は、一回り……二回りと形を失い、三対の翼も、光輪も消失する。
「―――――グ、ォォォォォ!!」
「「………!」」
最後の闇が祓われる刹那。
発生した闇の暴風により、俺たちはまとめて吹き飛ばされる。
……あれだけ攻撃した筈が、未だ挽肉どころか原型保ってるな。
俺の記憶では、12聖ってのはあくまで使う力が化け物なだけで体力云々は常識的な範疇だったと思うんだが……その辺も、人間やめちまったのか。
「…………ゥ、……グ」
完全に黒闇が取り払われた化け物は……人の形を取り戻したソレは、武器を握ったままの震える腕を上げる。
「―――ウソ……この人、まだ……!?」
「いや」
カラン……と。
未だ戦場の地鳴り止まない乾いた城塞の石畳に落ちる刃。
やがて現れた本体……元の形を取り戻した盗賊王は、だらりと垂れ下がった腕から武器を取り落とす。
……まるで硝子のように、身体全身に罅が入る。
「―――……ここが、果てか」
急に正気に戻るな。
さっきまで意味のない言葉ばっかりだっただろうが。
「ははは……。やはり、貴様等は……貴様等こそ、世界の異物」
「「……………」」
「聞け―――異訪者よ。宵も、明けも。全ては同じ」
「光とは、闇より出ずるもの」
「沈むか、昇るか。世界の真実は―――起源は、せり上がるように、昇る、望んでなどおらぬとも。世界は、定命の事情など興味もない故に、な」
「「…………」」
「無明の神は解き放たれた。呼応するように、残り三体の地底神もが目覚めるであろう」
「神に善悪など存在しない。全ては、己が象徴する意義の為に」
「しかし……、いまひとたび。貴様等は世界を救える……存続するだろう―――いずれは、神々さえも超えて」
「話が長ェよ」
「……略奪者。貴様は、我を。12聖を倒し、何処へ行く。最強を超え、何処へ―――」
「長ェっつってんだろうが」
「「ちょっ!?」」
盗賊王の言葉を遮り、前へ出る。
こちらが刃を当てても、奴は身じろぎもしなかった。
……罅は、次第に大きくなり。
腕が半ばから割れ、落ち。
石畳にぶつかって砕け散る。
「世界がどうとか、神様がどうとか、全部総じてクソくらえだ」
この分なら放っておいても死ぬ?
まだ生きてるのなら、先にトドメだろうが。
自然な流れで、謎遺した風に訳知り顔の黒幕気取らせて死なせてたまるかよ。
それに。
お前が死ぬ理由―――やられる訳なんて。
「何処へ行くか? 知らねえよ。お前がやられる理由? んなの―――気に入らねえからぶっ潰した!! それだけだろうがッ!!」
((ガキ大将……))
………。
………。
「気に入らぬ、ゆえ―――……そう、か」
「悪く、ない。それでこそ、奪う者なれば。なれば、終始通してみろ。略奪者よ。やがて、光がのぼるまで」




